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「私が住むからあなたは出ていって」強気な浮気相手→私「では家賃25万で!」浅はかすぎる女と夫の哀れな末路

半年ほど前から、夫の帰りが遅い日が続いていました。「繁忙期だから」という言葉を信じていた私でしたが、同僚の奥さんから聞いた話で、その言葉に疑問を持ち始めました。

そんなある日の夜、見知らぬ女性からインターホンが鳴ります。夫の浮気相手でした。しかし、その強気な態度の裏には、ある「焦り」が隠されていたのです……。

「悪いけど、今日も残業で遅くなる」

 

またか……とため息をつきました。毎日のように送られてくる、このメッセージ。泊まり込みの仕事が増えたと言って、夫と顔を合わせるのは週に数回程度になっていました。専業主婦として夫を支えてきた私は、心配する気持ちを「体に気をつけてね」という短いメッセージにのせて返信していました。

 

ところが、買い物先で偶然会った夫の同僚の奥さんから、私は意外な話を聞いてしまったのです。それを気に、私は夫に対して違和感、そして不信感を抱き始めました……。

 

崩れ始めた日常

「主人、毎日定時で帰ってくるようになって……。残業のときは『夕飯はいらない』って言ってたのに、ここ最近は連日家で夕食なのよ。働き方改革で残業が減ったのはいいことかもしれないけど、毎日献立を考えるのも大変よねぇ」

 

同僚の奥さんの言葉に、私は目を見開きました。同じ部署なのに、夫だけが連日の残業と泊まり込み? 給料も増えていないし、残業代だって出ていない……違和感が確信に変わるまで、そんなに時間はかかりませんでした。

 

その日の深夜、帰宅した夫に、私は恐る恐る確認してみました。

 

「ねぇ……あなたの会社、働き方改革で残業が少なくなったって……ほかの社員さんたちは定時で帰ってるって聞いたんだけど……」

 

「……ごちゃごちゃうるさいな! 俺の仕事に口出しするな!」と、夫は激しい口調で私を責めました。「専業主婦のくせに! 俺にとってお前はただの『お荷物』なんだよ」とまで言われ、私は胸が締め付けられるような痛みを感じました。

 

 

突然の来訪者

その翌日――。

 

荷物が届く予定も、来客の予定もないのに、突然インターホンが鳴りました。モニター

に映ったのは、見知らぬ若い女性でした。

 

「今日からここに住むので、出て行ってくれますか?」

 

画面越しに言われた言葉に、私はあ然としてしまいました。いきなり何を言い出すのか、これは警察とか管理会社に通報したほうがいいのか……そう迷っていると、彼女は言葉を続けました。

 

「私、あなたの旦那さんの彼女でーす。愛されてない女は早く出ていってくださーい」

 

彼女は夫の浮気相手だと名乗ったのです。信じたくない、という気持ちのほうが強かったのでしょう、私はすぐに夫に電話をかけて真偽を確認しようとしました。

 

しかし、電話に出た夫は「今仕事中なんだぞ! 邪魔するな!」と一言言って、すぐに切ってしまったのです。

 

「うそでしょ……うそだよね……」

 

夫に疑いの目を向けていたのは事実ですが、それでもショックでした。崩れ落ちそうになるのを必死に堪え、私は再びモニターの前に。彼女と対峙し、真実を知る覚悟を決めたのです。

 

手が震えて、うまくスマホを持てない私は、録音ボタンを押すのに、三回も失敗しました。エレベーターの鏡に映った自分の顔が、自分のものじゃないみたいに青白くて、思わず目をそらしました。深呼吸をしても、息が浅くて苦しい。——でも、知らなければいけない。目を背けたままでいるのは、もう終わりにしなければいけない。

 

深呼吸を何度も繰り返して、私はオートロックの扉を開けました。このマンションには、1階の共用部分に談話スペースが設けられています。モニター越しに彼女にそこで待っているように告げ、私はエレベーターで1階に。このときには、スマホの録音も起動できていました。

 

 

 

「本当に夫と付き合ってるんですか?」という私の質問に、彼女は「もう半年くらいになりますね」と腕を組みながら答えました。勝ち誇っているように見えたかと思えば、何かに追い詰められているような、焦燥感も感じました。

 

「彼に奥さんがいることは最初から知ってました。でも、離婚してくれるって……それなのに、全然話が進まないから、直接引導を渡しに来たんです」「私の存在を明かせば、あなただって自分の立ち位置がわかるでしょう? さっさと離婚して、彼を解放してあげてください」

 

彼女はすでにいらだちを隠さなくなっていました。

 

「あの人、あなたの愚痴ばっかり言ってますよ? 『家に帰る意味がない、癒しがない』『妻と一緒にいても疲れるだけ』って」「あなたと違って、私は彼にお姫様みたいに大事にされてるの。私がほしいものはなんだって買ってくれるし、『来て』って言ったらすぐに来てくれるんですよ?」

 

結婚を機に専業主婦になった私は、あたたかい家庭を夢見て、それを実現しようと奮闘してきました。それなのに、夫にはそんな風に思われていたなんて……。涙が出そうになりましたが、浮気相手の前では絶対に涙なんて見せたくありません。くちびるを噛んで、必死に感情を抑えました。

自ら墓穴を掘った浮気相手

「でも、夫から聞いたわけではないですし……本当に、夫はあなたを愛してるんですか?」

 

と私が言うと、彼女はムキになって反論してきました。

 

「はぁ? 私たちは本当に愛し合ってるの! あんた本当に鈍いのね、ほら、これ見なさいよ!」

 

彼女は自分のスマホを取り出し、SNSのアカウントを開いて私の目の前に突き付けてきました。それはカップルアカウント。2人のツーショット写真が何枚も投稿されています。キャプションには「もうすぐ結婚」という文字まで……。

 

無言で見つめていると、彼女は得意げに画面をスクロールしていました。レストランで並んで笑う2人の写真。見覚えのある夫の笑顔が、私に向けられたことはもうずいぶん長いことなかった気がします。それでも私は、2人のいちゃついている写真ではなく、アカウント名を必死に暗記することに集中しました。

 

「……これだけ愛されてるんだから、私が本命に決まってるじゃない」「わかったら、さっさと離婚してよ!」

 

私は深くため息をつき、冷ややかな目で彼女を見返しました。

 

 

「……離婚するのは全然構いませんが、この家に住むのは難しいと思いますよ」

 

「はぁ!? なんでよ!」と声を荒らげた彼女。

 

「このマンション、結婚する前に、私が亡くなった両親から相続したものなんです」

 

彼女の動きがぴたりと止まりました。

 

「結婚前から私が所有していたものなので、財産分与の対象にもならない、完全に私だけのマンションなんです。夫のものではありませんし、夫のものになることもありません」

 

「え……うそでしょ? 彼、自分が買ったマンションだって……」と驚く彼女に、私は苦笑。夫は見栄っ張りな人ですから、彼女の気を惹きたくてそんなうそをついたのでしょう。震えていたはずの気持ちが、不思議とすっと冷えていきました。事情も知らずに「ここに住む」と言い切る彼女の姿が、急に滑稽に思えてきたのです。

 

「この家での夫の立場は、ただの居住者です」「どうしても住みたいなら私が大家として賃貸を検討しましょうか?」「このあたりの家賃相場からして、家賃25万円でどうでしょう?」「夫の給料は月30万。暮らしていけそうですかね?」

 

浮気相手の顔からは、血の気がみるみる引いていきました。

 

「は? そんな……私、普通の事務職なのよ……そんなの、払えるわけないじゃない……」

 

そう言って後ずさりする彼女に、私はにっこり笑って追い打ちをかけました。

 

「あ、そうそう。離婚については弁護士から連絡します。夫を既婚者と知ったうえで付き合っていたわけですから、慰謝料をしっかり請求させていただきますね」

 

彼女は顔面蒼白になり、逃げるようにマンションのエントランスから出て行きました。

 

その後ろ姿を見送った私は、部屋に戻り、すぐに彼女が見せてくれたSNSアカウントを検索して特定しました。不貞行為をしているというのに、公開アカウント。誰でも見られる状態でした。

 

投稿された写真を1枚1枚、丁寧にスクリーンショットしていきます。旅行先でのツーショット、レストランでのディナーやプレゼントの写真。最初のうちは心がちくりと痛みましたが、作業として繰り返していくうちに、その痛みは気にならなくなりました。

 

すべてのスクリーンショットを終えたとき、ようやく安堵のため息が出ました。

 

 

 

続いて、私は夫に再び電話をかけました。

 

「おい! 仕事中だって言ってるだろ!」という夫の声を遮り、私は浮気相手がこの家に来たことを告げました。

 

「全部彼女から聞いたわ。半年も前から付き合ってたんですってね?」「マンションが私名義だと知って、彼女は真っ青になって帰ったわよ。あなた、彼女に『自分が買った』ってうそついてたんでしょ? 見栄っ張りなのは知ってたけど、まさかここまで落ちぶれてるとは思わなかったわ」

 

「う、うそだろ……」「彼女とは本気じゃなくて、ただの遊びっていうか……」と先ほどまでの夫の威勢はどこへやら。

 

「言い訳はいいわ。弁護士に相談して、離婚の手続きを進めます。今後の連絡は弁護士経由、退去についても書面で通知する。それまでは必要最低限の連絡だけにして」

 

夫は間髪入れず「冗談だろ!? 俺、行くあてなんてないぞ!」とひどく動揺していました。

 

「……彼女のところに行けばいいじゃない。『愛してる、早く結婚したい』って言ってたんでしょ? 本命の彼女のところで暮らせばいいじゃない」

 

「無理だよ! あいつの家、狭いワンルームだぞ!?」と声を荒らげた夫に、「愛があれば広さなんて関係ないんじゃない? とにかく、あなたには私のマンションにいる資格、もうないから。荷物もまとめておくから、早く出て行ってちょうだい」と告げ、私は一方的に電話を切りました。

 

手は震えていましたが、それは悲しみからではなく、怒りからでした。今までどれだけ我慢してきたか、どれだけ信じて待ち続けてきたか……その思いが一気に爆発したのです。

 

その日のうちに、私は弁護士事務所を探して依頼、そして義両親にも連絡を入れました。

 

 

 

数日後――。

 

先日スーパーで会った同僚の奥さんから、連絡がありました。

 

「あの……気を悪くしてしまったらごめんなさい。会社で噂になってるみたいなんだけど……」と彼女が口ごもりながら教えてくれたのは、夫の会社での状況でした。

 

半年ほど前からうちの夫と仲良くしていたらしい、総務部の事務の子。その子が2日前、社内でうちの夫に「なんで奥さんまだいるの!」「マンションの名義、あなたじゃないってどういうことよ!」と詰め寄ったというのです。それをきっかけに、2人の不倫関係が社内に知れ渡ってしまったとのことでした。

 

「つらいかもしれないけど、あなたは知っておくべきだと思って……」という同僚の奥さんに丁寧にお礼を述べ、私は電話を切りました。

 

その後――。

 

調停を経て、離婚は成立。元夫は「夫婦関係はすでに破綻していた」という主張で慰謝料の減額を求めてきましたが、私が証拠を提出すると言い返せなくなっていました。結局、元夫の収入状況も含めて弁護士が整理し、確実に回収できる条件で合意。支払いが滞れば、すぐに法的手続きに移る形で確定しました。

 

浮気相手にも慰謝料請求を行い、支払いがなければ手続きを進める旨を通知したところ、分割での支払いを受け入れました。

 

例の同僚の奥さんから聞いた話では、元夫と浮気相手は会社にいづらくなって自主退職。元夫は浮気相手の狭いアパートに転がり込んだそうですが……到底、思い描いていた愛の巣とはかけ離れた生活を送っているのだろう、と思っています。

 

一方の私は、自分の広いマンションで、新しく迎えた保護猫と静かに暮らしています。両親が遺してくれたこの場所で、誰にも邪魔されない穏やかな日々。朝、猫が窓辺で日向ぼっこをしているのを見ながら、お気に入りの紅茶を飲むのが日課になっています。

 

もう、誰かに理不尽に怒鳴られたり、誰かの帰りを不安に待つこともない。ふと不安になったときは、「これでよかったんだよね」と猫に語りかけています。

 

裏切られた痛みは消えることはないでしょう。それでも、私は前を向いて生きていきます。ようやく取り戻した自分の人生を、満喫したいと思います。

 

【取材時期:2026年1月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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