リフォーム準備の裏で…夫の様子に違和感
キッチンをリフォームしたく、私は内装会社の資料を見比べたり、休みの日にショールームへ行ったりと前向きに動いていました。ところが、夫はなぜか浮かない顔をしていたのです。
「疲れているのかな」「仕事が忙しいのかな」と思っていましたが、帰りが遅い日が増え、スマホを肌身離さず持つようになり、休日も外出が増えていきました。
決定的な証拠があるわけではないのに、なんだか胸の奥がざわつく。そんな違和感を抱えたまま過ごしていたある夜、夫が突然、重たい声で言ったのです。
夫「200万円使った」…口座残高を見て混乱
「……ごめん。200万円、全額使った」
私は言葉が出ませんでした。リフォームのために2人で貯めてきた200万円。目の前が真っ暗になりながらも、反射的にスマホで口座残高を確認しました。
「え、誰の貯金……?」
「……残高、減ってないよ?」
表示された残高に変わりはなく……。私は混乱しました。すると今度は、夫のほうがキョトンとした顔になったのです。
「え……減ってない? じゃあ、俺が使ったのは……」
その瞬間、なんだか嫌な予感がしました。
夫が使ったのは祖母のお金…しかも使い道は
夫はしぶしぶ話し始めました。口座からではなく、家に置いてあった現金を使ったのだと。
私はすぐに思い当たりました。入院している祖母から「何かあったら使って」と言われて預かっていた現金です。普段は触らず、棚の奥にしまっていた封筒。その中身を、夫が勝手に持ち出していたのでした。夫は、それを私が銀行からおろしたお金だと思っていたようですが……。
祖母のお金を勝手に使ったとわかり、怒鳴りたい気持ちでしたが、とりあえず使い道を聞きました。すると夫は「ちょっとだけのつもりだった」と言いながら、ブランド品を買い、飲み代や夜のお店の交際費にも使っていた様子。
最近外出が増えていた理由も、点と点がつながるように理解できました。
祖母だけが身内の私…夫の行動に心が折れて
話を聞いた私は、怒るというよりも心が折れてしまいました。実は私は早くに母を亡くし、父も数年前に他界しています。身内は祖母だけで、入院などの面倒も私が見ていました。
200万円に手をつけたことも許せませんが、それ以上に、祖母のお金を勝手に使われたこと、しかも使い続けて隠していたことが決定的でした。
「こんな人だと思わなかった……」そう思ってしまったら、もう一緒に暮らす未来が想像できませんでした。
義父母を交えた話し合い…そして私たちは
夫は「お金は返す」「反省している」と口では言いました。けれど、私が「返済の期日はいつ?」と聞くと、夫は信じられないことを言ったのです。
「貯金は減ってないんだから、まずは貯金の200万でキッチンをリフォームしちゃって、返済は給料から少しずつでいい?」
家族とはいえ他人のお金です。「使ってしまった」という危機感のない夫の感覚は、私には理解できませんでした。
私は義父母も交えた話し合いの場を設け、事実をすべて伝えました。義父母は呆れ、夫を厳しく叱ったうえで、まず私に200万円を渡してくれました。その後は、夫が義父母へ返済していく形に。
そして私は離婚を選びました。祖母のお金を守るためでもあり、自分がこれ以上傷つかないためでもあります。夫は嫌がりましたが、義父母が「お前が嫌だと言える立場ではない」と説得してくれました。次は、お金に対して誠実な人と出会いたいと思っています。
◇ ◇ ◇
お金は生活に直結するものだからこそ、誠実に向き合う姿勢が信頼関係を築くうえで欠かせません。身の丈に合ったお金の使い方を心がけたいですね。
【取材時期:2026年2月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています