娘の結婚式にと渡された黒留袖
何十年とタンスから出されることもなく、ボロボロのたとう紙でくるまれた黒留袖はカビ臭いやらホコリ臭いやらで一瞬固まってしまいました。しかし義母は黒留袖の思い出を一生懸命語ってくれるため、私も引くにも引けず、仕方なくその黒留袖を持ち帰ってきました。
夫とも話し、義母の気持ちを考えどうにかならないかと呉服屋に黒留袖を持ち込みました。カビ臭さもそうですが、汚れ、シミ、あとは刺繍が取れていた箇所も何ヶ所かあり、黒自体も色褪せがひどいため、すべて直すはめになりました。もちろん、黒留袖だけしか残っていなかった為、帯からカバン、草履、すべて揃えて40万超えという痛い出費になりました。
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思い出の詰まった黒留袖を託してくれた義母の気持ちと、現実との間で正直悩みました。 想像以上の出費にはなりましたが、きちんと手入れをして娘へ渡せたことで、「受け継ぐ」という形にできたのでよかったと思いました。
著者:野畑りこ/40代女性・専業主婦/子どもたちは独立しているため、夫と私の両親、犬と暮らしています。
イラスト:さくら
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年3月)