2015年ごろから利用者が増えている格安スマホ(格安SIM、MVNO等の名称もほぼ同様の意味です)ですが、変えたいと思っていても変えていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。家計を改善するには固定費のスリム化が重要であることは何度かコラムでもお伝えしていますが、格安スマホに切り替えて通信費を削減したいとご相談されるケースは依然として多いままです。
筆者も格安スマホに切り替えて3年経ちますが、従来の携帯料金をほぼ半分に削減できています。今回は格安スマホの主なメリットと注意点をお伝えしていきます。
利用頻度の多くない人は料金を下げられる可能性が高い
格安スマホのメリットはやはり料金が安くなることです。格安スマホは大手通信会社より安い料金になりそうなことはなんとなく分かると思いますが、ほとんどの場合、基本料金とデータ料金が安くなっています。例えば、ある大手通信会社では、データ通信と基本料金の合計が3,000円~4,000円程度が最安であるケースが多いのですが、格安スマホでは、最安の基本料金と通信料金がセットになったプランが1,000円~2,000円程度であることも少なくありません。
しかし、端末代は別途掛かりますので、端末の値引きなどを考慮すると、大手通信会社と格安スマホの総支払額を比較すると金額が逆転することもあります。最近では、端末はそのまま従来のものを使い通信会社のみ変更することもできますので、端末を使い続けるか、新たに購入するかで選ぶ通信会社も異なってきます。通話や通信の利用が多くない方は格安スマホに向いていることが多いのですが、家計相談でお話をさせていただくと、独身の時期に比べて結婚後や子育て中は、スマホを利用する頻度は増える人より減る人の方が多い印象があります。
いずれにしても検討する場合は、ご自身の利用状況と料金の比較をしっかり行うようにしましょう。格安スマホの通信会社やプランを検討したい方は、「価格.com[格安スマホ比較]」のページでご家庭の状況にあった通信会社・プランを入力してご参考にしてください。
細かいデメリットもあるので注意
料金が安くなるのにデメリットも無ければ誰でも格安スマホを利用した方が良いと思いますが、少なからずデメリットがあります。すべての格安スマホに当てはまるわけでないこともありますが、主なデメリットは以下のとおりです。
① 携帯メールのアドレスが引き継げない
② 店舗が少ない
③ 通信速度が遅くなる
④ 家族割引等のプランが少ない
⑤ 購入できる端末の種類が少ない
①は大手通信会社のメールアドレスにある、@の後の○○○.ne.jpは携帯会社を切り替えると引継ぎができませんので、新たなアドレスを設定するかgoogle(Gmail)やyahooなどのフリーメールに切り替える必要があります。
②は通信会社によって差があり、店舗数が大手とあまり変わらない会社もある一方、店舗ではなく、インターネット・電話でのお手続きをし、書類やSIMカードを郵送でやりとりするところも少なくありません。電話やインターネットでサポートを受けられますが、初期設定を自分で行うケースがある通信会社かどうかは事前に確認しましょう。
③は時間帯や回線を使用する人数にもよりますが、混雑しているエリアではインターネットのアクセス速度が遅くなることもあります。
④は料金プランをシンプルにする傾向から、家族割引等の各種割引やオプションなどがあまり多くありません。
⑤はスマートフォンの端末が大手通信会社と共同で開発している部分もあるため、最新機種やハイスペックな機種は格安スマホの会社では購入できない場合や販売時期が遅くなる場合があります。
上記のデメリットはあくまでも一部です。また、そのデメリットがあっても料金と比較して受け入れられるかどうかはそれぞれの考え方にもよりますので、何を優先すべきか考え比較しましょう。
筆者自身は1のアドレスが変わることに抵抗感もあったのですが、今後も携帯会社を変更しやすいように、フリーメールのアドレスを設定し、やり取りをしている人たちに周知をしました。フリーメールやLINE等のメッセージアプリの利用者も増えていますので、通信会社固有のアドレスの必要性は薄まっていると思います。
なお、一部の格安スマホの通信会社では、サービスをとりやめ別の通信会社と合併する会社も出てきました。料金だけでなく、今後の対応もどうなるかを考えて選ぶようにしましょう。その上でご家庭の状況に合う通信会社が見つかれば、格安スマホへ切り替えて固定費の削減を図ると家計のプラスになるでしょう。