2人目以降安産説を信じて疑わなかった私
妊娠38週目の夜中に突然の出血。破水だと思い、電気をつけると、スウェットから漏れ出るほどの大量の血。
「ただ事ではない」と思った私は、産院に電話。慌てて血を拭き取り、長女を起こして夫に病院へ連れて行ってほしいと頼みました。夫が家にいたのが不幸中の幸い。痛みは強くないものの、3歳の長女を連れて病院までの道中を考えるとゾッとしました。
かかりつけの産院から総合病院へ緊急搬送
10分ほどで産院へ到着。診察をした先生の顔色が変わり、「胎盤が剥がれかかっているため、赤ちゃんの心音が弱ってきている。この産院では赤ちゃんの処置ができないので、小児救急のある病院へ搬送します」と言われ、いつもの穏やかな先生とは違った表情に、私も不安を感じました。
救急車での搬送中、付き添いで同乗してくれた先生から「病院に着いたらすぐに帝王切開で赤ちゃんをおなかから出すから、覚悟しておいて」と言われ、じわじわ痛むおなかに向かって赤ちゃんの無事と帝王切開の成功を祈りました。
緊急帝王切開と赤ちゃんの誕生、その後
病院へ到着して5分も経たないうちに、麻酔で私の意識はなくなり、起きたときにはおなかから赤ちゃんがいなくなっていました。診断名は常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)。処置が早かったため、赤ちゃんも私も無事だったと言われました。長女をいきんで産んだときのような達成感はなく、喪失感と急激にくる「赤ちゃんは無事なのか」という不安。
そんなとき、夫が赤ちゃんの動画を見せてくれて、「生きている!」とホッとしました。うれしかったと同時に赤ちゃんがとても愛おしく思えました。ホッとしたのもつかの間、帝王切開による傷口の痛みが壮絶。翌日から自力でトイレまで歩行、2日目にはNICUまで20mほどの距離を、痛くて90度に曲がった腰をさすりながら「赤ちゃんに会いたい」という気力だけで歩きました。
想定していなかった帝王切開に心を痛めていましたが、大変なお産を経験した次女も1歳になり、元気に長女と遊んでいます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
著者:青葉 楓
2児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。