困ったクラスメイト
B美は2年生のころから同じクラスでした。私が友人のA子と話していると、いつも当然のように割り込んできて、会話の流れを止めてしまいます。
しかも、甘い物は苦手だと言いながら、私たちと一緒にスイーツ店へ行っては写真だけ撮り、食べきれない分を残したり、人に押しつけたりするのです。A子が「頼んだならせめて自分で何とかしなよ」と言っても、B美は「別にいいじゃん。どうするかは買った人の自由でしょ」と悪びれません。
友情はお金で買える?
さらに厄介なのは、お金で人を動かそうとするところです。裕福な家庭のB美は「放課後、コスメ見に行かない? 好きなの買っていいよ。私がお金出すから」などと誘ってくることがありました。そんなとき、私やA子が「自分の分は自分で払うよ。ただ、用事があるからまた今度ね」と断ると、「せっかく誘ってあげたのに! もういいよ、他の子と行くから!」とあからさまに不機嫌になるのです。
ある日、B美は私に掃除当番を押し付けようと「面倒くさいから代わりにやってよ〜。高級チョコあげるからさ」と、私の机にチョコの箱を乱暴に置いてきました。その態度に腹が立ち、私は「担当なんだから自分でやって」ときっぱり断りました。するとB美はムッとした表情をして、別のクラスメイトに「ねえ、チョコいる? 代わりに掃除して」と声をかけに行ったのです。
中には、お菓子につられて引き受けてしまう子も。そして味をしめたB美は、宿題などの提出物を「いいものあげるから代わりにやってよ〜」と押しつけるようになっていったのです。そうしたやり取りが続くうちに、表向きはB美に合わせていても、内心うんざりしている子が少しずつ増えていきました。こうしてクラス全体がB美に振り回され、教室にはどこかB美に気を使うような空気が広がっていったのです。
私とA子は「さすがにありえないよね」と顔を見合わせ、せめて自分たちだけでも、嫌なことははっきり断るようにしていました。
クラスの空気が変わった瞬間
連休明けの月曜日、B美は家族旅行のお土産を配りながら、「これあげるから、誰かレポートやってくれない?」と、また人任せなことを言い出しました。
するとA子が「お土産はうれしいけど、そういうのと引き換えに頼むのは違うと思う」と返答。私も「前から思ってたけど、物やお金で人を動かそうとするのは、もうやめたほうがいいよ。友だちってそういうものじゃないでしょ」と伝えました。
その瞬間、B美は机にお土産の箱を強く置き、「何それ。私にそんなこと言うの? 私はこのクラスの女王様でしょ。逆らうなら、もう友だちやめるけど!?」と声を荒らげたのです。
教室は一瞬静まり返りました。しかし、ずっとB美に振り回されて不満を溜めていた子も少なくなかったようで、少しして、ひとりのクラスメイトが「え……それでいいの?」とつぶやきました。B美は「友だちをやめる」と言えば、みんなが慌てると思ったのでしょう。ただ実際には、その言葉が、クラスメイトたちの本音を引き出すきっかけになったのです。
「友だちじゃないってことは、もうB美の言うこと聞かなくていいんだよね?」という声をきっかけに、クラスメイトたちは次々に口を開きました。
「A子たちの言う通りだよ。今まで物につられちゃってたけど、もう終わりにする」
「うん、私たちが間違ってたかも。これから宿題は自分でやってね」
こうしてクラス全体が、初めてB美にはっきりとNOを伝えることができたのです。B美は思い通りにならなかった悔しさと居心地の悪さからか、顔を真っ赤にして教室を飛び出していきました。
その後…
数日ほど学校を休んだB美は、しばらくして転校していきました。クラスでの出来事が先生や保護者にも伝わり、家庭でも話し合いがあった末、環境を変えるために転校したと聞いています。
私たちのクラスは少しずつ落ち着きを取り戻しました。A子と私は、「損得でつながる関係にはなりたくないよね」と話し合い、改めて友情を大切にしようと誓いました。
今回の出来事を通して学んだのは、自己中心的な相手に振り回されず、自分の意思を大切にすることです。いつかB美も、損得抜きで付き合える本当の友だちを作ってくれたらいいなと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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