「将来の社長夫人になる」弟に乗り換えた婚約者…
当時付き合っていた婚約者は、会社の同僚でした。最初は私の穏やかなところに惹かれたと言ってくれていましたが、社内で「次期社長確定」ともてはやされ、羽振りのいい弟の姿を見ているうちに、次第に気持ちが揺らいでいったようです。
ある日、彼女から「弟くんのほうがお金持ちだし、将来の社長夫人になれるから……ごめんね♡」と一方的に別れを告げられました。弟も「俺と結婚するってさ。兄貴より俺のほうが優秀だから仕方ないよな!」と勝ち誇った顔。
普通なら激怒するところですが、私は「わかった、お幸せに」と笑顔であっさり身を引きました。なぜなら、弟の“ある秘密”を知っていたからです。
弟の華やかな実績―その裏で支えていたのは…
実は、弟が「優秀な営業エース」として結果を出せていたのは、見えないところで法務である私が契約書の確認や取引条件の精査、トラブル対応などを担い、陰で支えていたからでした。
結婚騒動をきっかけに、私は「弟はもう一人前なのだから、もう自分のサポートは必要ないだろう」と考え、一切のフォローをやめました。すると数カ月後、弟が鳴り物入りで進めていたプロジェクトが、ずさんな契約と致命的な欠陥によって大炎上。損害賠償問題にまで発展してしまったのです。
弟の実力不足と責任感のなさが露呈し、父である社長や役員会は激怒。弟は次期社長の座を絶たれ、降格処分まで下されました。
出世を知った元婚約者が、私に「やり直したい」
一方で、私の裏方としての実務能力を高く評価してくれていた取引先(有名企業)の人物がいました。以前から転職の誘いを受けていた私は、今回の騒動をきっかけに、その話を受ける決意をしたのです。
「将来の社長夫人」という夢が絶たれ、以前のようなオーラがなくなった弟に愛想を尽かした元婚約者。彼女は私が出世したと聞きつけるや否や、「やっぱり私が本当に好きだったのはお兄ちゃん……やり直そう?」とすがりついてきました。
私は満面の笑みで「弟のほうがお金持ちだし、将来の社長夫人になるんでしょ? ごめんね、お幸せに!」と、かつて2人が放った言葉をそっくりそのまま返してシャットアウトしました。
その後、自業自得な2人は社内でも完全に孤立し、破局したようです。今の私は新しい職場で充実した毎日を送っています。
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派手に見える成果の裏には、自分ひとりの力だけでなく、誰かの支えがあることも少なくありませんよね。表に出にくい役割にもきちんと目を向け、感謝を忘れずにいたいですね。
また、相手の肩書きや将来性だけで人を判断してしまうと、本当に大切なものを見失ってしまうこともあるのかもしれません。目に見える条件だけでなく、その人の内面にも目を向ける姿勢を大切にしたいですね。
【取材時期:2026年3月】
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。