ある日、夫と私の妹が同時に姿を消しました。警察に届け、夜も眠れないほど心配して2週間。
ようやく妹から届いた連絡は、謝罪ではなく、勝ち誇ったような宣言でした。
妹と夫の失踪
「お姉ちゃんの旦那さんと一緒にいるの。あ、もうすぐお姉ちゃんの『元夫』になるからね」彼らは私たち夫婦が貯金をしていた口座から勝手にお金を引き出し、リゾート地で豪遊していました。
絶句する私に、妹は追い打ちをかけるように言いました。夫と妹は、半年も前から私の家で密会を重ねていたそう。
真面目すぎる私に「一緒にいても息が詰まる」と夫がこぼしていたことを勝ち誇ったように告げられ、妹からは「お姉ちゃんって生真面目で面白みがないから。もっと人生楽しめばいいのに」と、哀れむような口調で言われました。
そして「略奪なんて人聞きの悪いこと言わないでよ。これは自由な恋愛なんだから」と開き直ったのです。
「嫉妬してる?」「捨てられたんだから黙って離婚届出してよ」という妹の言葉を最後に、私はふたりとの絶縁を決め、淡々と離婚の手続きを進めることにしたのです。
1年後の再会
裏切りから1年が経ったころ、突然妹から連絡が入りました。「都内に家を買った」という浮かれた報告です。
聞けば、夫の父親……つまり私にとっての元義父から、突然大金が振り込まれたとのこと。「ようやく私たちが認められたんだよ!」と息巻く妹は、そのお金を使って家を買ったそうです。
私は黙って聞いていました。すると妹は「相変わらず嫉妬で何も言えない?」と高笑い。私は冷めた声で告げました。
「それ、お義父さんからの『手切れ金』でしょ。息子と縁を切るための、最後のお金」
実は私は離婚後も仕事を通じて元義父と交流がありました。私の実力と誠実さを認めてくれた元義父は、離婚後も変わらず、時にはプライベートで仕事の相談に乗ってくれることさえありました。
義父が下した非情な決断
元義父は、不誠実な息子と、家庭を壊した妹に心底呆れ果てていました。経営センスもなく、家のお金を頼りに遊び歩くようになった息子に会社を継がせるわけにはいかないと、会社を別の人に譲る決断をしていたのです。
「あなたの夫は聞いてるんじゃない? お義父さんは会社を第三者に譲渡する手続きを終えて、あなたたちには資産を継がせない法的な準備も済ませたって聞いたけど……」
私の言葉に、妹の声が震え始めました。慌てて元義父に連絡を取ろうとするも、秘書を通じて拒絶されたようです。
焦った妹が夫を問い詰めると、彼は「親父が小言で言ってた気もするけど、どうせ脅しだろ」と、事の重大さをまったく理解していなかったのだとか……。
「嘘よ……だって、これからも援助してくれるはずでしょ!? クレカも限度額まで使っちゃったのに、どうすればいいのよ!」
豪邸の維持費、多額の税金、そして際限のない浪費……。手元に一銭も残さずお金を使い果たした二人には、もう帰る場所も、頼れる親も残されていませんでした。
「姉妹でしょ?」都合のいいSOS
数カ月後、妹から泣き叫ぶような電話がかかってきました。貯金は底を突き、夫は働く気もなく、連日のように支払いの督促に追われる日々。妹自身も、生活のために昼夜問わず働かざるを得ない状況に追い込まれていました。
「お姉ちゃん、お願い助けて! 家族じゃない、謝るから!」
かつて私をバカにしていた妹が、今や生きるために必死ですがり付いてくる姿は、あまりにも惨めでした。
「都合のいい時だけ家族に戻らないで。あんたたちは、自分たちが踏みにじってきた人たちの痛みを一生かけて味わえばいい……」私は二人の連絡先を永久にブロックしました。
奪った幸せの代償
その後、彼らは多額の負債を抱えたまま、早々に離婚したと元義父から聞きました。都内の家は維持ができずあっさり売却され、元夫は慣れない肉体労働を転々とし、妹もまた、かつての華やかな生活とは程遠い場所で、その日暮らしの生活を送っているそうです。
身の丈に合わない幸せを他人の犠牲の上に築こうとした二人に、もうかける言葉はありません。
◇ ◇ ◇
「家族だから許される」という甘えは、時に取り返しのつかない事態を招きます。信頼は築くのに一生かかりますが、壊すのは一瞬です。
大切な人を裏切って手に入れた身勝手な幸せの上に、穏やかな生活など成り立つはずもありません。誠実に日々を積み重ねることこそが、結局は幸せな人生を送る唯一の方法なのかもしれませんね。
【取材時期:2026年3月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。