役割分担をしたはずなのに…
3歳の娘と1歳の息子は遊び盛りで「今日はどこの公園行くの?」と毎週のように聞いてくるほど。子どもとお出かけする時間は幸せですが、平日にたまった家事をさばくことができないため、私と夫は休日の家事と育児を分担することにしました。
夫婦どちらが家に残って家事をするか夫と話し合った際、夫は「俺、家事がいい! ひとりの時間もほしいし」と話します。私は、ひとりの時間がほしいのはお互いさまでは……? とモヤモヤしたと同時に、日ごろ全く家事をしない夫に家事ができるのか少し不安に感じました。しかし、夫は結婚前にひとり暮らしの経験があり「楽勝だよ」と豪語。そこまで言うならと、私は土曜の9時から15時まで子どもを連れ出すことにしました。
当日、夫に渡したのは「掃除機がけ」「1週間分の買い出し」「夕飯づくり」のリスト。すべて終わったら、ひとり時間を楽しんでいいという条件付きです。買い出しリストと夕飯のレシピも渡し、夫にとっては悪くない話のはずでした。ところが、子どもと遊び疲れて帰宅したとき、目に飛び込んできた光景にがく然。掃除機はリビングに出しっぱなし、夕飯づくりは途中で放置してキッチンには物が散乱、買い出しの食材は冷凍のものもあるのに、まだマイカゴの中……。夫はというと、ソファに座ってゲームをしていました。
思わず「これどういうこと? 全然終わってないじゃん」と言うと、夫はゲームをしながら「あとでするよ」と悪びれない様子。私は子どもと遊び疲れでヘトヘトで、その場では呆れて何も言うことができませんでした。
ところが17時ごろになって、子どもたちが「おなかすいた」と言い出しても、夫は「俺はさっきカップ麺を食べておなかすいてないから」とまたもや自分優先の信じられない発言をします。何度お願いしても「あとでするって言ってんじゃん」「せかすなよ。やる気なくなる」と余計に機嫌を損ねる始末。夫を待っていても子どもたちがぐずるだけなので、結局、私がキッチンで作りかけの夕飯を引き継いで用意しました。
翌朝、反省の色もなく「パパはまた今日も家のことするから、ママに言いな~」と子どもたちをシッシッと手であしらう夫。我慢の限界がきた私は「それならもうずっとひとり時間にしたらいいよ!」と言い捨て、子どもたちには不安にさせないよう、「ばぁばのとこ行こう!」と言って隣町の実家へ帰りました。
夫からは何度も電話がありましたが、出る気になれません。代わりに、頼んだ家事を未完了のまま自分のしたいことを優先したこと、私が結局家事を片づけたのに感謝も反省もないことなど、自分の思いをメールで長文にして送りました。そして、家に戻るための条件を提示したのです。それは、「今回の件を自分の口から会社の同僚と義母に伝えて、客観的な意見をもらう」「自分の家事能力の現状を認め、できないことは事前に相談する」の2つでした。
1つ目の条件は、単に誰かに夫を叱ってほしいからではありません。私が必死に子どもをなだめながら伝えた言葉を、まるで「妻のワガママ」かのように流していた夫に、自分の基準が世間一般の『親・パートナー』としてどれほどズレているか、第三者の意見を聞かない限り理解してもらえないと感じたからです。
2つ目の条件は、自分のキャパシティを正しく把握し、できないときに助けを求めたり相談したりする素直さを持ってもらいたかったからです。
翌日、夫はこの話を会社の同僚と義母に相談したそう。双方から「お前が悪い。父親失格だ」と一喝されたとか。義母からは「バカ息子がごめんね」と謝罪がありました。
夫は深く反省し、「ごめん、俺が間違ってた」と言って実家まで迎えに来てくれ、再度夫婦で分担を話し合うことに。
今では、夫が子ども2人を連れて外遊びに行き、その間に私が集中して家事を済ませるスタイルに落ち着きました。夫は「体力担当」、私は「段取り担当」。お互いの適性というよりは、「責任を持って完遂できる役割」を明確にしたことで、無駄なけんかはなくなりました。
今回の出来事を通じて、話し合いが行き詰まったときは第三者の視点を取り入れ、相手に自身の振る舞いを客観視してもらうことも大切だと学びました。そのうえで、お互いが責任を持って完遂できる役割を冷静に見極めることが、夫婦で納得できる家事分担への近道なのだと感じています。
著者:中野さやか/30代・会社員。夫と3歳の長女、1歳の長男の4人家族。英語の実務翻訳家を目指して、日々スキルアップに励んでいる。
作画:ひのっしー
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)