軽く考えていたおなかの張り
私は第1子出産の際、引っ越しで動き回ったこともあってか、“ギリギリ早産”で出産しました。第2子のときは順調に妊娠生活を送っており、無事に産休へ突入。しかし、その翌日の妊婦健診で子宮頸管長が5cmを切っていることと、定期的なおなかの張りを指摘され、切迫早産で緊急入院となったのです。
確かに仕事中もおなかが張っていることがありましたが、定期的な張りには気付かず「これくらい大丈夫」と軽く考えていました。出産前に新居への引っ越しをするはずだったのに準備もできず、年中児の長男のことも気がかりなままでした。
副作用に悩む日々…
自分が感じていたおなかの張りは、思っていたよりも重篤だったようです。入院後は24時間点滴、NST(ノンストレステスト)でおなかの張りの間隔をチェックし、トイレ以外の自由はありませんでした。そして、入院時からおこなっていた張り止めの点滴(ウテメリン)だけではおなかの張りが治まらず、それよりも副作用の強い点滴(マグセント)へと切り替わりました。
副作用については事前に説明を受けて同意したのですが、頭痛やめまい、吐き気に襲われる毎日で苦しかったです。心配していた長男の世話や幼稚園への送迎は夫や義母がサポートしてくれて、引っ越し準備は諦めて住んでいた賃貸住宅を3カ月ほど延長することになりました。
住宅購入でお金もピンチ! 莫大な入院費
入院生活にも耐えて、妊娠37週まで持ちこたえました。しかし点滴を終了した途端、生理痛のような鈍い痛みに定期的に襲われ、内診すると子宮口が5cmほど開いていたのです。このまま出産かと思われたのですが、なぜか陣痛が消失してそのまま退院することに。
手元には赤ちゃんではなく、膨大な荷物と診療明細書が残りました。ただ、妊娠がわかった際に「限度額適用認定証」(窓口での支払いが高額になる際、自己負担額を所得に応じた上限額を越えないようにする証明書)を取得していたため、決められた額の支払いだけで済んだのはよかったです。もし、入院でかかった高額な費用をその場で支払わなければならなかったらと思うとゾッとします。
退院してから2週間後、妊娠39週で無事男の子を出産し、息子はすくすく成長しています。当時は自分が切迫早産で入院するなんて思ってもみませんでしたが、妊娠時に限度額適用認定証を取得したことで気持ち的にも、金銭的にも助けられました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/おんたま
監修/助産師 松田玲子
著者:菅田ゆうり
1歳・7歳の男児を育てるワーキングマザー。自身の体験をもとに、妊娠や出産、育児、仕事との両立についての体験談を中心に執筆している。