お金に関する知識は学校で教わることが少なく、ご家庭の環境や考え方による部分が少なくありません。そのためご両親や義理のご両親の知識や考えを参考に住居を購入したり、保険に加入したりするケースも多いと思います。しかし、黒電話がスマートフォンに、ブラウン管のテレビが液晶テレビになったように、お金の知識や考え方、金融商品も大きく変化しています。今回は、親世代(50代~70代)と考え方や状況が異なるポイントを4点お伝えしようと思います。
ゆうちょ銀行・かんぽ生命は民間企業です
×:郵便局は国が運営しているから安心
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○:ゆうちょ銀行・かんぽ生命は民間企業
郵便局は以前、お金の預け入れは郵便貯金、生命保険は簡易保険として、全額政府保証があるなかで運営されていましたが、2007年(平成19年)の郵政民営化に伴い、郵便貯金はゆうちょ銀行に、簡易保険はかんぽ生命保険として民間の金融機関になりました。
民間も金融機関、預金保険機構・生命保険契約者保護機構での一定の補償はありますが、政府保証は無くなりました(民営化前に加入した簡易保険は満期・消滅まで政府保証があります)。親世代は安全だから郵便局を選ぶ傾向がありましたが、現在は民間の金融機関ですので、商品性や利便性などの観点から他の金融機関と比較して選ぶと良いでしょう。
リスクを受け入れつつ運用を組み合わせよう
×:預貯金を積み立てればお金は増える
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○:リスクを受け入れつつ運用を組み合わせる
1970年代~1990年代前半は普通預金の金利が2~3%、定期預金の金利が3~6%程度あった時期もあり、預貯金に預ければ資産運用ができていた時代もありました。バブル崩壊後の低金利、2016年2月からはじまったマイナス金利(個人には適用されていません)の影響で、2019年11月の普通預金金利は大手銀行を中心に0.001%、定期預金金利は0.01~0.2%程度となっていることがほとんどです。
現在で預貯金をすれば、元本相当を積み立てることはできますが、利子が増えることは期待できません。バブルで運用の失敗経験のある親世代は運用には否定的な人も少なくありませんが、現在はリスクをコントロールした上で運用を組み合わせて資産を増やすことが必要になりつつあります。
ライフプランに合わせて購入・賃貸を選択する
×:住宅は資産になるので購入した方が良い
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○:ライフプランに合わせて購入・賃貸を選択する
親世代は物価も地価も上昇し続けていたため住宅はローンを組んでも資産になるという考え方が中心でしたが、バブル崩壊後は地価が下がっているエリアも多く、住宅が資産になりにくいケースも増えています。そのため、子どもの人数や学校、本人や配偶者の勤務先の都合、退職した後などのライフプランに応じて、住宅を購入するか賃貸にするかを検討すると良いでしょう。
これから住宅を購入する際には、人気エリアは地価や物件価格が上がったり、下がりにくかったりするケースもありますが、人口が減少傾向の日本全体では地価が上がらない前提で検討しましょう。
カード・キャッシュレス決済の使い分け
×:現金の管理・支払いが安全・安心
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○:状況に応じてカード・キャッシュレス決済の使い分けを
世代を問わず現金の管理・支払いを好む方も多いのですが、特に親世代はその傾向が強いようです。しかし、状況によっては、安全性の面からも利便性の面からもクレジットカードやキャッシュレス決済を利用することを検討してみましょう。
現金での管理は使うたびに手元から無くなるので、使い過ぎが防げる面は最大のメリットですが、盗難や紛失時は手元に現金が戻ってくる可能性は低く、災害の際にも無くなってしまう可能性もあります。そのため、不必要な現金は手元や自宅には置かず、金融機関等の補償のあるところで保管する方が安全です。また、クレジットカードやキャッシュレス決済で使い過ぎが不安な方は、チャージするタイプ(電子マネー等)や即時払い(デビットカード)がお勧めです。使い分けできるように、無理のないことから始めると良いでしょう。
親の意見は子や孫のためを思ってのことが少なくありませんが、お金に関しては親世代の経験や知識だけでは対応できない点も少なくありません。上記の4点だけでなく、細かい点まで見ていくと多くのギャップがあると思います。親の意見も参考にしつつ、インターネットの情報やお金の専門家(税理士やファイナンシャルプランナー等)も活用しつつ、よりよくお金を使うことができるように心がけていただければと思います。