しかしある日、夫が義実家に帰省していないことが発覚しました。夫が帰省すると言って出かけたその日、義母から電話があり、実家には来ていないことがわかったのです。夫を問いただすと、「親友の家で飲んでいたらそのまま寝てしまって、実家には寄らなかった」と言うのですが……。
夫の浮気疑惑……真実を知っているのは?
夫の親友に会ったのは結婚式のときと、一緒に実家に帰省したときの数回程度。とても感じのいい人なので、彼と飲みにいくと言われたら、私も安心して送り出せていました。
しかし私の疑心暗鬼は止まりません。帰省のたびに会っているのは、本当に親友なのでしょうか。確証が欲しくて、SNSの投稿を探す日々を送っていました。そうして見つけたのが、親友のアカウント。そこから彼に連絡を取ろうかと思ったのですが、私が夫を疑っていることを夫に告げ口されると、警戒されてしまって夫のガードが固くなるでしょう。
親友への連絡は思いとどまり、私は「帰省について行きたい」と言ってみることにしました。すると、以前は一緒に行こうと誘ってくれた夫は、ついてこないようにと断固拒否。私が予定を調整しづらくなるように、帰省の日程をギリギリで知らせるようになってしまいました。
親友が亡くなった!?
我慢しきれなくなった私は、率直に尋ねることにしました。「帰省と言って不倫をしているのではないか?」と問うと、夫は怒って逆ギレ。口を利かなくなったまま、週末はいつもの実家帰省に出掛けていったのです。
夫が実家から帰ってくるのは日曜日の夜。しかしいつもの時間になっても帰ってきません。心配していると、夫から電話がかかってきました。
電話の内容は、帰宅日の変更。なんと親友の彼が急死したというのです。「葬儀に出席し、もろもろが終わってから帰宅する」とのことでした。突然の訃報に夫は大きなショックを受けているだろうと、親友を思い、私まで悲しい気持ちになっていました。
翌日。誰かがわが家を訪ねてきました。インターホンのカメラに映った人物を確認してびっくり! 私は悲鳴を上げて、その場に座り込んでしまいました。
訪問者は幽霊!?
あまりの恐怖に足がすくみ、私はその場に座り込んでしまいました。震える手で夫に電話をかけましたが、夫は出ません。何度かけても折り返しはなく、私は深呼吸をしながら、なんとか玄関へ向かいました。
恐る恐るドアを開けると、そこにいた人物は「こっちに出張に来たから」と、何事もなかったかのように笑っています。その姿を見て、私はようやく事態を理解し始めました。
しばらくして、ようやく夫から折り返しの電話がありました。電話に出た途端、夫は「葬儀があると言ったのに、電話をしてくるなんて非常識だ!!」と怒鳴りつけてきたのです。
その瞬間、恐怖で震えていた私の手は、今度は怒りで震え始めました。人の死を利用した嘘をついたうえに、私を責めるなんて……。私は言い返したい気持ちをこらえ、黙ってスマホを訪問者に手渡しました。
私への文句を延々と言っていた夫は、電話口の相手が変わった途端、急に黙り込みました。じつは今、私のスマホで夫と話しているのは、まさに今葬儀の真っ最中だという“夫の親友”だったのです。
「俺の葬式ってどういうこと?」と、親友は不思議そうに尋ねます。夫は「妻と喧嘩したから、頭を冷やすための嘘だった」と苦し紛れに答えました。しかし、親友の彼が一枚上手でした。
「今、俺の家にいるでしょ?」と言って、自分のスマホから奥さんに電話をかけました。すると、夫と繋がっている通話口の奥から、親友の奥さんのスマホの着信音が響いてきたのです。夫は、親友の奥さんと不倫をしていたのでした。
親友が仕掛けた罠とは?
親友の出張のたびに、彼の奥さんと密会していた夫。今回の夫の延泊は、2人の関係に気付いた親友が仕掛けた罠だったのです。
夫が帰省している週末、親友は急な出張が入ったと偽り、家を留守にしました。それを聞いた親友の奥さんは、まんまと家に夫を呼んだようです。だから夫は親友の死という嘘をでっちあげ、急な延泊を申し出たのでしょう。
親友の予想通りに事が進み、自宅の周辺には親友が依頼した探偵が待機しており、不倫の証拠をしっかり押さえる手はずになっていました。私の疑惑は、思わぬ方法で晴れたのでした。
幸運なことに動かぬ証拠を手にした私は、強気で彼らと交渉し、きちんとした額の慰謝料を請求して離婚しました。不倫もさることながら、親友が亡くなったという悪質な嘘をつく夫の神経を疑い、未練などこれっぽっちもありません。
◇ ◇ ◇
人を欺くためについた嘘は、たとえ一時的にごまかせたとしても、いつか大切な信頼関係を大きく損なうものです。特に、誰かの死を利用するような嘘は、相手の気持ちを深く傷つけるだけでなく、その人自身の誠実さを疑われても仕方のない行為と言えるでしょう。
夫婦や家族の関係は、日々の信頼の積み重ねで成り立っています。違和感を覚えたときに「気のせいかも」と飲み込んでしまうこともありますが、不自然な言動が続く場合は、ひとりで抱え込まず、冷静に状況を見つめ直すことも大切です。
どんな理由があっても、相手を裏切ったり、嘘で傷つけたりしてよいことにはなりません。近しい関係だからこそ、誠実に向き合い、相手の信頼を軽んじない姿勢を忘れずにいたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。