娘の食事まで平気で奪う夫
夫は娘が生まれてから、とにかく食べる量が増えました。
最初は仕事が忙しくなったせいだと思っていたため、夕飯の量を増やしたり、おかずを多めに作ったりしていました。しかし、どれだけ用意しても満足することはありません。
ある日、娘の大好物の唐揚げを夕食に並べると、夫は自分の分をあっという間に食べ終え、私と娘のお皿にまで箸を伸ばしてきたのです。
「それは娘の分だからやめて」と何度止めても聞く耳を持たず、「足りないんだから仕方ないだろ」と言って食べ続けました。さらに炊飯器に残っていたご飯まですべて食べ切り、翌朝用に残していた分までなくなってしまったのです。
非常食や娘のおやつまで勝手に食べられることもあり、そのたびに「お願いだから娘の分には手を出さないで」と頼みましたが、夫は気にも留めない様子でした。
そして私が決定的に夫を許せなくなった出来事が……。
娘の4歳の誕生日に用意していたホールケーキを、夫が私たちの留守中に1人で食べ切ってしまったのです。もはや怒りを通り越してあきれてしまいましたが、娘がケーキを楽しみにしていた姿を思い出すと、悔しさと情けなさで胸がいっぱいになりました。
病気を心配した私
娘のごはんやケーキまで食べてしまう夫。ここまで異常な夫の食欲の裏には、何か病気が隠れているのではないかと思いました。
「どこか体の具合が悪いんじゃない? 一度病院で診てもらわない?」
そう声をかけると、顔色を変えて怒鳴った夫。
「腹が減るのは健康な証拠だろ! 病人扱いするな!」
私はそもそも責めるつもりはありませんでした。ただ、娘の分まで食べてしまう理由を知りたかっただけだったのです。
「でも……」と私が再度受診を勧めようとすると、夫は笑いながら信じられないことを口にしました。
「本当はさ、困ってるお前たちを見るのがおもしろかっただけなんだよ。腹いっぱいでも、つい取りたくなるんだよな〜」
その瞬間、病気ではなく、夫自身の考え方に問題があったのだと気付きました。
あまりにも身勝手な夫の本音
さらに夫は悪びれる様子もなく続けます。
「俺が働いて稼いだ金で買った食べ物なんだから、好きに食べて何が悪い」
「簡単にお前たちに食べさせたくなかったっていうのもある、もっと俺に感謝しろよ」
私は言葉を失いました。
夫は空腹だったわけでも、病気だったわけでもありません。私や娘が困る姿を見て楽しむために、わざと食べ物を奪っていたのです。
娘はまだ幼く、自分の気持ちをうまく言葉にできません。それでも、自分のごはんや誕生日ケーキがなくなって悲しそうにしている姿を何度も見てきました。
そんな娘を傷つけてまで楽しむ夫とは、この先家族として暮らしていくのは到底不可能だと思いました。
娘を守るために選んだ道
その日のうちに、娘を連れて家を出た私。実家に戻ってから「離婚したい」と伝えると、夫は驚いたような表情で言いました。
「こんなことで離婚するのか?」
「ちょっとふざけただけじゃないか」
私の離婚の意思が固いことを知ると、夫は謝罪。しかし、私はもう夫を信じられませんでした。
食べ物を奪ったことだけが理由ではありません。娘の悲しむ姿を見て笑い、私たちを傷つけることを楽しんでいたことが、どうしても許せなかったのです。
結局、私の両親と義両親に間に入ってもらい、話し合いを進め、私たちは離婚。夫は最後まで「あんなことくらいで……」と言っており、事の重大さがわかっていないようでした。
離婚後、娘と2人で新生活を始めた私。安心して食卓を囲める毎日が戻ってきました。
「今日は何を食べようか」と一緒に買い物をしたり、「今日はこんなことがあったんだよ」と話しながら食事を楽しめたりすることが、こんなにも幸せなことだったのだと実感しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。