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「健康のためだったのに」ジョギングに夢中になった夫に起きた異変【医師解説あり】

夫がうつ病と診断されたのは、長時間労働が続いていたころでした。半年間の休職を経て少しずつ元気を取り戻し、その支えになったのがウォーキングやジョギングでした。ところが、回復とともに運動への熱意はどんどん増していき、後になって思わぬ不調が見つかることに。仕事に全力だった夫が、今度は走ることに夢中になっていった出来事です。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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仕事しかない毎日で心も体も限界に

当時の夫には、仕事以外のことを考える余裕がありませんでした。残業は毎月100時間を超え、徹夜も珍しくありませんでした。帰宅しても仮眠を取るだけで、シャワーを浴びる時間すらないまま再び出勤する日もあったほどです。

 

それでも夫は「今だけだから」と言いながら働き続けていました。しかし、次第に食欲が落ち、表情も暗くなり、家族との会話も減っていきました。

 

私は「何かおかしい」と感じるようになりました。夫自身は「疲れているだけ」と言っていましたが、それまでとは明らかに様子が違っていたのです。

 

そこで私から夫に心療内科の受診を勧めました。最初はためらっていた夫でしたが、受診した結果、うつ病と診断されたのです。診断書を会社に提出し、その後は半年間休職することになりました。仕事一筋だった夫が立ち止まることになり、私も不安を抱えながら見守る日々が始まりました。

 

ジョギングが回復のきっかけに

休職してしばらくしたころ、心療内科の先生からウォーキングを勧められたそうです。最初は近所を少し歩くだけでしたが、徐々に距離が伸び、そのうちジョギングへと変わっていきました。走った後は気分がすっきりするようで、以前より表情が明るくなりました。家族との会話も増え、私も少しずつ安心できるようになったのです。

 

やがて夫はフルマラソンを完走するまでになりました。さらにウォーキングでも50kmや100kmを歩く大会に参加するようになり、私から見ると、なかなか挑戦しないような距離にも取り組んでいました。

 

元気になった姿を見るのはうれしかったのですが、その一方で少し心配もありました。夫はもともと何事にも全力で取り組む性格です。ジョギングに打ち込む姿が、以前の仕事への向き合い方とどこか重なって見えたのです。

 

週末になると必ず走りに出かけ、走れない日は落ち着かない様子の夫。当時は口にしませんでしたが、私は「また頑張りすぎてしまわないだろうか」と感じていたのです。

 

 

そんなときに起こった思わぬ不調

走る距離が増えてから、夫はめまいやふらつきを訴えることが増えました。以前より疲れやすそうに見える日もあり、家族に対してイライラすることもあったのです。

 

「年齢のせいかな」と思っていましたが、病院で血液検査を受けたところ、重度の鉄分不足と診断されました。医師からは、長距離ランニングを続ける人の中には、鉄が不足した状態になる人もいると説明を受けました。

 

体に良いと思っていた運動でも、取り組み方によっては体に負担がかかることがあるのだと驚きました。

 

もちろん運動が悪いわけではありません。ただ、夫は仕事でも趣味でも一生懸命になりすぎるところがあります。だからこそ、体からのサインを見逃してしまったのかもしれません。

 

まとめ

長時間労働が続く中でうつ病と診断され、半年間の休職を経験した夫。療養中に始めたウォーキングとジョギングは、夫が前向きさを取り戻す大きな支えになりました。

 

しかしその後、運動に熱中する中で、鉄欠乏による体調不良が見つかりました。

 

夫の姿を見ていると、好きなことや前向きな取り組みであっても、時には立ち止まって自分の状態を振り返ることが大切なのだと感じました。仕事でも趣味でも一生懸命になりすぎる夫らしさを改めて実感した出来事でした。

 

医師による解説:長距離ランニングと鉄欠乏

ランニングは健康維持に役立つ運動ですが、長距離ランニングを継続している人では鉄欠乏が見られることがあります。鉄分不足による体調への影響について解説します。

 

持久系運動で鉄が不足することも

鉄は、赤血球中のヘモグロビンの材料となり、全身に酸素を運ぶために欠かせない栄養素です。長距離ランニングなどの持久系運動を続けている人では、発汗による鉄の喪失、足裏への衝撃による赤血球の破壊、炎症など、さまざまな要因が重なり、鉄欠乏が生じることがあります。

 

鉄欠乏で現れる主な症状

鉄が不足すると、疲れやすさや息切れ、めまい、ふらつき、動悸などの症状が現れることがあります。運動量が増えた後にこうした不調が続く場合は、単なる疲労と考えず、医療機関で相談することも選択肢になります。

 

運動も「頑張りすぎ」に注意

運動は健康維持に役立ちますが、体調や体力に合わない過度な運動は負担になることがあります。健康のために始めた運動であっても、疲労感や体調の変化が続く場合には、一度運動量や生活習慣を見直すことも大切です。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)

著者:伊達敦子/50代女性。2008年、2010年、2012年生まれの3児の母。フルタイムで共働きをしながら子育て中。会社員の傍ら、化粧品検定2級・1級やコスメコンシェルジュの資格を取得し、人々の美しさと自信を引き出すために活動している。

イラスト:sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)

 

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