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カンガルーケアは危険!? どうしてそう言われるようになったの!?

この記事では、助産師のREIKOさんが「カンガルーケア」について解説しています。日本でも取り入れられるようになったカンガルーケアですが、その危険性についても議論がなされ「早期母子接触」と言われるようになり、ガイドラインも作られました。きちんと産院で説明を聞き、方法やリスクなど確認して、おこなうかどうか決められるといいですね。

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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カンガルーケア

 

こんにちは! 助産師のREIKOです。出産後すぐに赤ちゃんをママの胸に抱かせて、直接肌を触れ合ったり、話しかけたり、授乳したりするカンガルーケア。「赤ちゃんが生まれたらカンガルーケアをしたい!」と思っているママもいらっしゃるのではないでしょうか? その一方で、カンガルーケアに伴う事故のニュースを耳にされたことのある方もいらっしゃると思います。そこで今回は、カンガルーケアについてお話しします

 

カンガルーケアの歴史

1979年、当時コロンビアは経済危機に陥っており、新生児医療への予算がなく、感染症で亡くなったり、育児放棄される赤ちゃんがたくさんいました。それを減らそうと首都ボゴタにあるSan Juan de Dios Hospitalで働く2人の医師によって始められたのが“カンガルーケア”です。

 

当初は、極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)を対象に、ママの胸の間で裸の皮膚と皮膚を接触させるものでした。日本では、1995年に極低出生体重児におこなわれたのが最初で、2000年以降になると、出生直後のカンガルーケアが正期産の母子の場に拡大しました。

 

カンガルーケアは危険?

生まれたばかりの赤ちゃんは、外の世界に適応しようと呼吸をして、心臓を動かして、体温をコントロールして……と、一生懸命です。どんなに元気に生まれてきた赤ちゃんでも、生まれてすぐ、特に2時間くらいはとても不安定と言ってもいいでしょう。

 

そのような赤ちゃんがカンガルーケア中に状態が悪くなり、最悪死亡するケースが見られ、カンガルーケアの危険性についての議論が高まりました。このため、産科病棟でおこなわれるカンガルーケアはNICUでおこなわれるカンガルーケアとは異なるケアであるとして、「早期母子接触」と名称を変更し、ガイドラインも作成されました。

 

早期母子接触のメリット

早期母子接触にはいろいろなメリットがあります。まず赤ちゃんは、ママと密着することで泣いている時間が減り、心拍数や呼吸数、体温などが安定します。そしてママの皮膚の常在菌が赤ちゃんに移動することで免疫力も高まります。

 

一方、ママは赤ちゃんへの愛着が高まり、母乳哺育が促進されたり、育児への不安を和らげるといった効果があります。

 

早期母子接触をおこなうにあたって…

先ほどお話ししたように、早期母子接触をおこなうにあたってガイドラインがあり、それに基づいて各産院で実施基準が設けられていると思います。

 

ママと赤ちゃんが早期母子接触できる状態であることはもちろんですが、産院側の人員や環境によって難しい場合もあるかもしれません。ママの希望を叶えたいという気持ちもありますが、でもそこはママと赤ちゃんの安全を最優先したいと私は思っています。

 

 

早期母子接触をおこなうことについて否定的な意見もあります。しかし、メリットがあるのも事実です。ママとしても悩みどころかもしれませんが、きちんと産院で説明を聞き、方法やリスクなど確認して、おこなうかどうか決められるといいですね。

 

 

◆関連動画 出産ドキュメンタリー

 

 

 

 

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