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「異様なだるさ」51歳、階段を上った直後に異変が…受診後に救急搬送された思わぬ病【医師解説あり】

51歳の私は、いつもと変わりない日常を送っていました。しかしある日、突然異変が現れました。これまで、健康診断では特に大きな指摘を受けたこともなく、日ごろから生活習慣にも気を付けてきたつもりだった私が、まさか命に関わる病気を発症するとは思いもしませんでした。この出来事は、これからの自分の体とどう向き合うかを考える大きなきっかけになったのです。【医師解説あり】

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師菊池大和先生
医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長

地域密着の総合診療かかりつけ医として、内科から整形外科、アレルギー科や心療内科など、ほぼすべての診療科目を扱っている。日本の医療体制や課題についての書籍出版もしており、地上波メディアにも出演中。
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左腕が痛み出し、強い倦怠感におそわれる

当時51歳だった私は、用事があってとあるビルを訪れました。「5階までなら階段でも行けそうだな」と思い、エレベーターを使わずに階段を上ることに。足取り軽く階段を上っていきましたが、5階に着いた途端、左腕にジンジンとしびれるような痛みが現れたのです。

 

「急に何だろう?」と戸惑っていると、胸のあたりにズンと不快感が広がり、冷や汗が流れ、異様なだるさが一気に襲ってきました。その日は気温が高く、「暑さのせいかもしれないな」と考えた私は、10分ほどでどうにか用事を済ませてビルを後にしました。しかし、あまりのつらさに、帰り道の記憶はほとんど残っていませんでした。

 

帰宅して横になっても、水分をとっても、一向に倦怠感はおさまりません。念のため血圧を測ってみると、見慣れない「170」という数値が表示されました。「これはただごとではないのかも…… 」と不安になり、仕事中の夫に連絡して、近所の循環器内科クリニックへ連れて行ってもらうことにしました。

 

予想外の病名を告げられ救急搬送に

クリニックでは初め、狭心症(きょうしんしょう/心臓の筋肉に十分な血液が届かなくなる病気)の疑いがあると言われました。しかし、心電図やエコー、採血といった検査が進むにつれて、医師の表情が少しずつ曇り始めます。

 

「再灌流(さいかんりゅう/途絶えていた血流が再び流れること)はしていますが、心筋梗塞ですね。救急車を呼ぶので、このまま総合病院に行ってください」と告げられたとき、自分に起きている状況をすぐに受け止めることができませんでした。

 

急に始まった左腕の痛みや強い倦怠感、血圧の上昇といった症状はあったものの、よく耳にするような胸の激しい痛みはなかったからです。

 

総合病院に着くと、すぐに血管から細い管(カテーテル)を入れ、心臓の血管の状態を詳しく調べる検査検査がおこなわれました。そこで医師からは「はっきりと『血管が詰まった跡』が確認されます。心筋梗塞です」と告げられました。

 

状態から見るとバルーン治療(カテーテルの先端に付いた風船を膨らませ、狭くなった冠動脈を広げる治療)などは必要ないと説明があり、入院して薬で治療する方針になりました。

 

心筋梗塞は場合によっては命にも関わる病気ですが、緊急のカテーテル治療などは必要ないと言われ、少し安堵しました 。今後は医師の指示に従い、処方された薬を継続して服用することになりました。

 

 

50代の今、自分の体と向き合い直す

これまで私は、飲酒や喫煙もせず、食事にも気を配った生活をしてきたつもりでした。毎年の健康診断で指摘されることもなく、自分なりに健康を保てていると思い込んでいましたが、今回の出来事でその自信は覆りました。

 

心筋梗塞を経験し、これまで以上に自分の体の変化に目を向ける必要が出てきたことを痛感しています。この先さらに年齢を重ねていく中で、ささいな違和感にも敏感になっていこうという気持ちが強まりました。

 

あのときの変調を「様子を見よう」と済まさず、速やかに受診して本当によかったと思います。もし放っておいたらと想像すると怖くなります。

 

まとめ

何の前触れもなく始まった体の異変は、思いも寄らない病気のサインでした。投薬治療のみで済んだことは不幸中の幸いでしたが、自分の体を見つめ直す大きなきっかけになりました。50代に入り、これまで以上に体の変化を意識するようになりました。これから先、気になる変化はそのままにせず、自分の体の声に耳を傾けながら過ごしていきたいと思っています。

 

医師による解説 :胸痛だけではない心筋梗塞のサイン

心筋梗塞では、胸の激痛だけでなく、今回のように腕の痛みや冷や汗、強いだるさなどが現れることがあります。症状の出方には個人差があり、早めの判断が重要です。

 

左腕の痛みは放散痛の可能性がある

心臓の異常による痛みを、肩や腕、顎、背中など別の部位に感じることを「放散痛(ほうさんつう)」といいます。そのため今回のように、心筋梗塞でも腕に痛みを感じることがありますが、腕の痛みにはほかにもさまざまな原因があるため、そのほかの症状がないかを総合的に見て判断する必要があります。

 

胸の激痛がなくても心筋梗塞は起こる

心筋梗塞では、胸の圧迫感や不快感のほか、腕の痛み、冷や汗、息苦しさ、強い倦怠感などが現れることがあります。中には激しい胸痛がなく、胸以外の症状が中心となるケースもあります。

 

異変が続くときはためらわずに救急車を

胸の不快感や腕の痛み、冷や汗などが続く場合や、明らかに普段と違う状態では、心筋梗塞を含む緊急性の高い病気も考えられます。自家用車で移動せず、119番通報を検討することも視野に入れましょう。また、救急車を呼ぶか迷ったときには#7119番を活用すると、医師・看護師・救急救命士から電話でアドバイスを受けることができます。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)

著者:東松 園子/53歳。夫と大学生の子2人と暮らす50代主婦。子どもの巣立ち後の生活を思い巡らせるこのごろ。

イラスト:sawawa

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)

 

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