後輩と浮気され…あっさり婚約解消
当時、私は同じ職場の男性と交際しており、彼とは婚約関係にありました。ところが入籍を控えていたある日、彼が職場の後輩女性と浮気していたことが発覚。彼から別れを告げられ、当然ながら婚約は解消することになりました。
婚約解消後、彼はほどなくして会社を退職。その少しあと、浮気相手だった後輩女性も退職することになりました。彼女の仕事を私が引き継ぐこととなり、正直、会話すること自体つらかったのですが、仕事は仕事と切り替え、引き継ぎをおこなおうとしていました。
しかし、結局彼女はほとんど引き継ぎをしないまま退職。引き継ぎの資料もほぼなく、残された彼女の仕事から、なんとか必死に仕事をするしかありませんでした。
しばらく、自分の仕事もしつつ、彼女から引き継いだ仕事と格闘する日々。今思えば、仕事のことで頭がいっぱいでプライベートのことを考える時間も少なくなり、婚約解消となったつらい出来事についていろいろと考えてしまうこともなく済んだのかなと感じます。
そうしてようやく仕事も、自分の気持ち的にも落ち着いてきたころです。
一通のメッセージが届きました。
差出人は、後輩女性から。なんと2人の結婚式の招待状だったのです。
なぜ私にスピーチを?
招待状には、後輩女性から「職場の人たちはみんな呼んでいるので、先輩もぜひ来てください」というメッセージが。
おめでたいとは思うものの、正直、出席したい気持ちなどありませんでした。ただ、会社で同僚や上司も参加すると聞き、迷った末に「私だけ出席しないのも……」と思い、出席することに。
そして、2人の結婚式が近づいてきたころです。突然、後輩女性から電話がかかってきて……。
「当日、上司が出席できなくなったので、預かっているお祝いのメッセージを、先輩が代わりに読んでくれませんか?」と言われたのです。
なぜ私に……とは思ったものの、彼女と一番近しい距離で仕事をしていたのは私。実は、私と彼女の内情を知らない、式を欠席することとなった上司からも、事前に「スピーチの代読をお願いしたい」と言われていました。そのため、上司のお願いだからと言い聞かせ、2人の結婚式で上司のスピーチを代読することにしたのです。
スピーチの最後に付け加えたひと言
迎えた2人の結婚式当日。複雑な気持ちはありましたが、「今日だけ乗り切れば、もう2人と関わることもない」と自分に言い聞かせて会場へ向かいました。
披露宴が始まり、しばらくすると私が上司のメッセージを代読する時間に。そこには、元婚約者と後輩女性の仕事ぶりを振り返る言葉や、2人の門出を祝う言葉がつづられていました。
私は書かれている内容をそのまま読み上げ、「末永くお幸せに」と締めくくり……最後にひと言だけ付け加えました。
「以上、新郎の元婚約者である私が、代読させていただきました」と。
その瞬間、会場がざわつきました。2人が交際を始めた詳しい経緯や、私との関係を知っている人はほとんどいなかったようです。周囲から「え?」「どういうこと?」という声が聞こえ、新郎新婦は明らかに動揺していました。
席に戻り、同僚たちから「どういうこと?」と聞かれた私は、そこで初めて、彼と婚約関係にあったこと、婚約中に彼が後輩女性と浮気し、それが原因で婚約を解消したことを話しました。同僚たちは言葉を失っていました。
心がスカッとしたのは事実
その後も披露宴は予定どおり続き、私も最後まで出席しました。ただ、元婚約者と後輩女性はどこか気まずそうで、先ほどまでの晴れやかな表情はすっかり消えていたように思います。
振り返ると、お祝いの場でわざわざ「元婚約者」と付け加えたのは、大人げなかったかなと思います。それでも、婚約中に裏切られた私としては、正直、少しだけ胸がすっとしたのも事実です。
結婚式以降、2人と連絡を取ることはありません。今では、あの2人がどうしているのかも知りませんし、知りたいとも思っていません。
あのひと言は、最初から言おうと決めていたわけではありません。ただ、2人の門出を祝う言葉を読み終えた瞬間、それまで胸の内にしまっていた気持ちが、ふっと口から出てしまったのだと思います。今となっては、少し大人げなかったと思いつつも、あのときの自分なりの本音だったのかなと振り返っています。
イラスト:わかまつまい子
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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