「昔のやり方」と言われた紙の顧客資料
私は長年、取引先とのやりとりで気になったことを顧客ごとの資料に書き込んできました。過去にどんな要望があったのか、どのようなトラブルが起きたのか、そのとき会社がどう対応したのかなど、後から振り返れるようにしていたのです。
もちろん社内ではデータ化も進んでいましたが、私は自分がすぐ確認できるよう、紙の資料も手元に残していました。
ところが、若手社員からは「まだ紙で残しているんですか? 昔のやり方ですよね」と言われることも。あるときは整理の途中だった古い資料を「もう必要ないですよね」と処分されそうになり、慌てて止めたこともありました。私自身、「時代に合っていないのかもしれない」と少し肩身の狭い思いをしていました。
大口顧客からの質問に答えられず重い空気に
そんなある日、大口の取引先との重要な商談がありました。若手社員が中心となって説明を進め、私はサポート役として同席していました。
商談は順調に進んでいましたが、途中で先方の担当者から、「以前、似た案件で問題が起きたことがありましたよね。そのときはどう対応してもらったのでしょうか」と質問がありました。若手社員はパソコンで記録を探しましたが、すぐには詳しい経緯を確認できませんでした。
「確認して、後ほどご連絡します」と答えたものの、先方は少し不安そうな表情を浮かべました。和やかだった場の空気が、一気に重くなったのを覚えています。
紙の記録に残っていた当時の対応
そこで私は、念のため持参していた過去の顧客資料を確認しました。すると、当時のトラブルの内容だけでなく、原因や対応、その後、先方から了承を得た経緯まで記録されていました。
私は資料を見ながら、「当時はこのような問題がありましたが、こちらの方法で対応し、その後は同じ問題が起きないよう改善しました」と説明しました。すると先方も、「そうでしたね。そこまで記録が残っているなら安心しました」と納得した様子でした。その後は再び話が進み、商談も無事にまとまりました。
帰り道、若手社員から「こういう記録は残しておく意味があるんですね」と言われました。その言葉を聞き、少し報われたような気持ちになりました。
まとめ
この出来事を通して、古いやり方か新しいやり方かだけで判断するのではなく、必要な情報を適切な形で残しておくことが大切なのだと改めて感じました。便利なデジタルツールを活用する一方で、会社の情報管理ルールに従いながら、過去の経緯や対応を後から確認できるよう記録を整理しておくことも必要です。長年の業務の中で積み重ねてきた記録が、いざというときの判断や説明を支えてくれることもあります。新しい方法を取り入れつつ、必要な情報を適切に管理し、次に生かしていくことの大切さを実感した出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:三宅定昌/60代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
シニアカレンダー編集部では、自宅介護や老々介護、みとりなど介護に関わる人やシニア世代のお悩みを解決する記事を配信中。介護者やシニア世代の毎日がハッピーになりますように!
シニアカレンダー編集部
「人生100年時代」を、自分らしく元気に過ごしたいと願うシニア世代に有益な情報を提供していきます!