名刺交換で固まってしまった若手社員
ある日、私は若手社員と一緒に取引先を訪問しました。先方の担当者が現れると、私も名刺入れを手にしてあいさつを始めました。
ところが、隣にいた若手社員はなかなか名刺を出しません。バッグの中を探したり、私と先方の様子を交互に見たりしているうちに、名刺を渡すタイミングをすっかり逃してしまいました。
結局、少し遅れて慌てて名刺を差し出したのですが、本人もかなり緊張している様子でした。私はその姿を見ながら、「社会人なら名刺交換くらいできるものではないか」と、正直少しあきれてしまいました。
「教わったことがなくて」のひと言
会社に戻った後、気になった私は若手社員に声をかけました。「名刺交換、ちょっと戸惑っていたね」と言うと、本人は申し訳なさそうに、「実は、ちゃんと教わったことがなくて……。動画では見たんですけど、実際にやるとわからなくなりました」と話しました。
その言葉を聞いて、私はハッとしました。私にとって当たり前になっていることでも、最初から誰もが知っているわけではありません。
そこで昼休みに、名刺を渡すタイミングや持ち方、受け取り方などを一緒に練習することにしました。何度か繰り返すうちに、若手社員も「なるほど、こうすればいいんですね」と笑顔を見せるようになりました。
次の訪問で聞いた「助かりました」
数日後、再び若手社員と取引先を訪問する機会がありました。今度は前回とは違い、取引先の担当者を前にしても落ち着いて名刺を準備し、スムーズにあいさつをしていました。
帰り道、若手社員から「この前練習してもらったので、今日は緊張せずにできました。助かりました」と言われました。
その言葉を聞いたとき、不思議とうれしい気持ちになりました。仕事を始めたころ、私も先輩から細かなことを何度も教えてもらったはずです。それをいつの間にか忘れ、自分が知っていることを「できて当然」と考えていました。
まとめ
若い人が何かをできないとき、つい「そんなことも知らないのか」と思ってしまうことがあります。しかし、知らないのであれば、教えればいいだけなのだと今回の出来事で気付きました。長く働く中で積み重ねてきた経験は、若い人を見下すためのものではなく、次の人へ受け継いでいくためのもの。教えることで、自分自身もかつて誰かに育ててもらったことを思い出せた出来事でした。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:内田健一/50代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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