「今すぐ来て!」駆けつけると、インターホンを押しても無反応
その日も昼過ぎに、義母から切迫した声で電話がかかってきました。
「急に熱が出て動けないの。お父さんはゴルフでいないし、悪いんだけど風邪薬とゼリーを買ってきてくれない?」
義実家までは車で片道1時間。隣町とはいえ、決して近い距離ではありません。それでも、体調が悪いという義母を放っておくわけにはいかず、私は急いで薬局に寄り、義実家へと車を走らせました。
ところが、義実家に到着してインターホンを押しても、返事がありません。ドア越しに声をかけても応答はなし。
私は次第に、「もしかして、倒れているのでは……?」と不安に。何度もインターホンを押し、電話もかけましたが、一向に反応はありません。どうしようかと玄関脇に近づいたとき、私は耳を疑いました。家の中からテレビの音と、義母の笑い声が聞こえてきたのです。
「お義母さん、中にいますよね? 心配なので、返事だけでもしてください!」
そう呼びかけても、やはり反応はありません。メッセージを送っても既読にさえならず、雨がぱらつき始めた玄関先で待つこと30分。結局、私は買ってきた薬とゼリーをドアノブにかけ、帰宅するしかありませんでした。
夫に訴えるも「母さんがそんなことするはずない」
実は、こうした出来事は初めてではありませんでした。すでに4回ほど、同じようなことがあったのです。
家の片づけを手伝ってほしいと言われたり、義父の誕生日プレゼントの相談をしたいと言われたりした際、義実家へ向かっても、義母からの応答はなし。後から「寝ていた」「急な用事で出かけていた」などと言われていました。
最初は私も、たまたまタイミングが悪かっただけだと思っていました。しかし、こう何度も続くと、さすがに偶然とは思えなくて……。
わざと私を呼び出して、困っている姿を楽しんでいるのではないか――。そんなことは思いたくありませんでしたが、疑念は募るばかりでした。
意を決して夫にそのことを伝えると、夫はため息をつき、呆れたように言い放ちました。
「はあ? 母さんがわざわざそんなことするわけない。お前の着くタイミングが悪かったんじゃないの? だいたい考えすぎ。人の母親をそんな陰湿な嫁いびりをする姑扱いするなんて、ひどいぞ」
実の母親を信じたい気持ちはわかります。それでも、何度も嫌な思いをしている私の言葉には耳を貸そうともしてくれない夫に、私はショックを受けました。
その日の夜、私は義母に直接メッセージを送りました。
「お義母さん、具合はいかがですか? インターホンを鳴らしても出てこないので、玄関先でずっと待っていたんです。家の中からテレビの音や笑い声も聞こえてきたのですが……」
義母から返ってきたのは、「ごめんなさいね。薬は受け取ったから。テレビをつけたまま寝ていたみたいで、気づかなかったの」という言葉だけでした。本当に寝ていただけなのか、それとも……。疑念は晴れないままでしたが、確かな証拠もなく、モヤモヤが残るだけでした。
再び義母から呼び出し!そこで耳にした衝撃の言葉
数日後、義母から再び電話がかかってきました。
「電球が切れちゃって交換できないの。すぐに来てくれない?」
またか……と思いましたが、私は義母の頼みを引き受けることにしました。もし今回も同じことが起きたら、夫にも事実をわかってもらえるように記録を残そうと考えていたのです。
義実家に到着すると、私はスマホの録音アプリを起動し、ポケットに忍ばせてインターホンを鳴らしました。
案の定、義母からの応答はありません。
しかし、その日は気候がよかったからか、玄関脇にあるリビングの小窓が少しだけ開いていました。そして、そこから義母の話し声が聞こえてきたのです。
「そうそう! またあの子を呼び出して、今まさに玄関の外で待たせてるの~!」
どうやら義母は、誰かと電話をしているようでした。
「わざわざ片道1時間かけてやってきて、困り果てて立ってる姿を見るのが一番面白くてねえ。やることのない毎日の最高の暇つぶしなの!」
本当に私を困らせることを楽しんでいたなんて。怒りで手が震えましたが、私はできる限り冷静を保ち、聞こえてきた義母の言葉をスマホに録音しました。
その日の夜、私はリビングでくつろぐ夫に声をかけ、「聞いてほしい」と、昼間に録音した音声を再生しました。静まり返った部屋に響き渡る、義母の声。音声が進むにつれて、夫の表情はみるみる険しくなっていきました。
夫は信じられない様子で、言葉を失っていました。
「そう。これでもまだ、私の考えすぎだって言える?」
私がそう問いかけると、夫はしばらく黙り込んだあと、ようやく口を開きました。
「母さんが、まさかこんな陰湿な嫌がらせをする人だったなんて思わなくて……。本当にごめん」
夫はようやく義母の嫌がらせを認め、私に謝罪してくれたのです。そして夫は、「もう母さんの頼み事に応じなくていい。これからは俺が対応するから」と言ってくれました。
夫が義母に突きつけた言葉
翌日、夫はひとりで義実家へ向かい、義父にも録音した音声を聞かせたそうです。義母は最初こそ「そんなの捏造!」と騒いでいたようですが、義父から激怒され、言い逃れできなくなったとのこと。
さらに夫は、義母に対してこう告げてくれたそうです。
「これから何か頼み事があるなら、俺に直接言って。それでも妻に嫌がらせをするようなら、母さんとは距離を置くから」
夫の話によると、義母は最初こそ不満そうにしていたものの、義父にも厳しく注意され、最終的には謝罪したそうです。そして私は、夫と相談したうえで、今後は義母からの連絡を受けないことにしました。
こうして、義母からの理不尽な呼び出しはなくなりました。後から聞いた話では、義母も今はおとなしくしているとのこと。最初は私の話を信じてくれなかった夫ですが、最後には自分の非を認め、義母に対して毅然とした態度を取ってくれました。今は義母に振り回されることもなく、ようやく平穏な日常を取り戻せたことにホッとしています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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