重いPMS。もう迷惑はかけたくない!
大学3年生のころの出来事です。毎月生理前に訪れるひどいPMSに悩まされていた私。体調面はどうにか自分で持ちこたえることができたものの、感情の変化が特にひどく、時には彼に心ないひと言を投げてしまったり、物に当たったりすることもありました。ダメだと思うほど症状は悪化していき、夜中にひとりで泣いた回数は数知れず……。
このままでは彼に嫌われてしまう……と、自分で自分を恐れていました。そんななか、ピルがPMSの緩和になることを友人に教えてもらった私。早速処方してもらうため、病院へ向かいました。
あなたのためなのに…
最初に待っていたのは血液検査。先端恐怖症を持つ私ですが、検査をしないとピルが処方できなかったため、めまいがしながらも検査を受け、医師からの説明を聞いて低用量ピルを処方してもらうことができました。そして低用量ピルを飲み始めて1週間後、彼と1日デートをすることに。
毎日同じ時間に飲まなくてはいけないため、彼の前で初めてピルを飲むことになりました。「体調でも悪いの?」と尋ねられた私が、「低用量ピルだから大丈夫」と答えると……あからさまに嫌な顔をする彼。そして……。
「ちゃんと避妊しているんだから、そんなもの飲む必要ない」と、まさかの言葉が飛んできたのです。
ピル=避妊目的とは限らない!
ピルは決して避妊のためだけに存在しているわけではありません。それなのに「俺は避妊しているのに……。それでもピルを飲むっていうのなら、他の人ともしてるんでしょ」と決めつけてくる彼に、さっきまであった恋心も一瞬で冷めてしまいました。
ピルを飲む理由は、人それぞれ。避妊目的で飲む人もいれば、私のように「PMSを少しでも軽減できれば」と望みをかけて飲み始める人もいます。
ピルを飲み始めて1年と少し経ちましたが、PMSも改善され、生理前も素敵な気持ちで過ごすことができるようになりました。このときの彼とはその後お別れすることとなってしまいましたが、それでもこの出来事以降、低用量ピルを飲んでいることを男性に話すことには、いまだにちゅうちょしてしまいます。
好きな彼に嫌われたくないと思って飲み始めた低用量ピル。結果的に彼への恋心を失うこととなりましたが、自分を毎月嫌いになるよりはマシだなと思うようになりました。まだまだピルへの理解や知識が足りない人は多いのかもしれません。自分の心と体を健康にするためにも、きちんと理解してくれる人と過ごすことの大切さを感じることができました。
著者/清家佑香
イラスト/すうみ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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