子どもとの良い関係性を保つためのヒントを日本女子大学 人間社会学部 心理学科 教授の塩崎尚美先生にお話しいただきました! 育児に関するプチイライラ解消法など、手軽に実践できる方法なども紹介しています。
子どもをしっかり観察!臨機応変な対応が肝
子育てをするにあたり、子どもの状態を観察しながら、その場その場で対応を変えていくことはとても重要なポイントになってきます。
例えば、子ども自身がママやパパに近くにいて欲しいときと、自分が好きなことをしたいので見守っていて欲しいというときがあります。そのため、ママやパパが子どもの状態を見極め、「今は関わってほしいと思っているのか、ほうっておいてほしいと思っているのか」ということを察知して、関わるということが一番重要になってきます。甘えたいときや不安になったときには子どもから近づいてきたり、求めてきたりするので、そういう場合は子どもの気持ちをしっかりと受け止めることが大切になります。
ただ、好きなことをしていたり、自分でしたいことを見つけてそれに取り組んでいたりするなど、ママやパパから離れていくときは手や口を出さずに少し離れたところから見守ることが重要になってきます。
また、ここで注意してほしいのが、見守る=何もしなくてもいいわけではないということです。子どもは離れながらもママやパパの存在を気にかけ、笑顔を返してほしいというようなアイコンタクトを取ることがあります。そのため、そのときはママやパパ自身が笑顔を返す、声掛けをおこなうなど、子どもに「ちゃんと見ているよ」というのが伝わると、距離は離れていても子ども自身の安心感にもつながり、のびのびと取り組めるようになります。
イライラしたら実践したいプチストレス解消法
子どもの状態を把握し、関わり方を臨機応変に変えていくことで、子育てに対するイライラの軽減につながりやすくなります。ただ、それでもイライラしてしまったら、そういうときは深呼吸をし、リラックスして気持ちを落ち着かせることが重要になります。
判断力が鈍ってしまうので、イライラしているときに子どもに関わろうと思っても、あまり良い結果につながりません。そのため、窓から空を見るなどでもいいのですが、その場で自分の気持ちを落ち着かせ、そこから何をすればいいかを考えてみてください。ママの心が落ち着けば、「子どもが何を求めているのか」が見えてきます。感情が高ぶっていると、子どもが何を求めているか見えてこないと思うので、瞬間的に気持ちを切り替えるという意味で、子育て中に「今イライラしているな」と思ったら、深呼吸や水分補給をして一呼吸置くことが大切です。また、糖分を摂るとイライラが収まるので、一口くらいのチョコレートを食べるというのもおすすめです。
子育ては毎日のことになるので、特にママさんは頑張りすぎないことが大切です。「イライラがちょっと溜まってきたな」と思ったらこのようなことを実践し、気持ちを少しでも切り替えられると子どもとの関わり方も良い方向に向きますよ。
「子どもと距離を置きたい」と思ったときは…
イライラの解消法をしてもうまく気持ちを切り替えられないとき、1日中子どもと一緒にいるときなどは、子どもと距離を置きたいという思うこともあるかもしれません。「子どもと距離を置く」というと、少し罪悪感を持ってしまうかもしれませんが、自分の時間を作ることで気持ちをリフレッシュすることができ、「また頑張ろう! 」と新たな気持ちで子どもと向き合うことができます。そのため、月に1回や2回くらいは、旦那さんや両親など誰かに相談して子どもを見てもらう日を作るということもいいでしょう。
ご自分だけで頑張ろうとするのではなく、ほかの人の手もうまく借りて気持ちを切り替えながら、楽しく子育てに向き合っていただければと思います。
毎日の子育てはとても大変なことだと思います。家族のためにいつも笑顔でいたいけど、気分が落ち込んでしまう日やイライラしてしまう日もありますよね。ママがイライラしているときは、子どももそれを感じ取ります。上手に気持ちを切り替えながら、
日々の子育てを頑張ってください。
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