東京衛生病院小児科の保田典子です。診療では、風邪などの一般診療に加え、循環器の病気や漢方治療、発達の相談などをしています。ママやパパたちが安心してお子さんのケアができるような診療を心がけています。
私生活では7歳・5歳・3歳の子育て中で、毎日ドタバタな生活をしています。これからベビーカレンダーでコラムを書かせていただくことになりました。よろしくお願いします!
まずはじめにお話ししたいこと。
それは、「小児科医は安心できる子育てに必要な”サービス”の1つ」だということです。
初めてのお子さんであれば、育児は誰でも初めてです。初めての経験は、誰でもすぐうまくいくとは限りません。さまざまなツールやサービスをうまく使って、育児を乗り切ってもらえたらと思います。
私は、安心できる育児に大事なサービスの1つ、「小児科医」をうまく利用していただきたいなと思っています。
小児科は病気のときだけじゃない
病院というと「病気を治すところ」ですが、小児科の役割はそれだけではありません。乳幼児健診などもおこなっていて、「赤ちゃんの健やかな成長を見守り、支える」役目もになっています。
そのため、多くの小児科医は「子育てで悩むパパママの助けをしたい」と思っています。
夜泣き、離乳食、疳の虫、イヤイヤ期……
「小児科で相談すること?」と思えることが、意外に小児科で解決することもあるので、予防接種や風邪の診療のついででも、子育ての悩みをちらっと相談してみるのもいいと思います!
どんな小児科医がおすすめ?
初めてのママパパにおすすめなのは、「とにかく話を聞いていて、信頼できると思える先生」がいいと思います。
でも、それってすごく曖昧……
クリニックの外観を見ても良くわからないし。
とりあえず、ぱっと探せる指標としては
●小児科専門医であること
●行きやすい場所であること
●(新しい・古いではなく)ぱっと見て清潔感があること
●ある程度ホームページがしっかりしていること
がわかりやすい指標でしょうか。
そんなクリニックを探して一度受診してみて、子育ての疑問なども質問してみて、「いいな」と思ったらそこに通ったほうがいいと思います。
とはいえ、小児科専門医であるというのは1つの指標にすぎません。
実は私の場合、今の場所に引っ越してきて、近所の人におすすめされてかかりつけにしている先生は小児科専門医ではありません。
上記の指標のほかにも、しばらく通って「信頼できる先生だと思えたこと」「小児の患者さんが多く経験豊富であること」がわかったので、そのまま通っています。何より、月曜日~土曜日毎日やっているので、他にかかる必要がないのも気に入ってます。
小児科受診。ここは気をつけて!
時々来られる患者さんで、「3つ病院にかかったけど良くならなかったので、うちに来ました」という方がいます。
でも、個人的には何度も病院を変えるのはおすすめしません。特に小児はどこにいっても出すお薬はそんなに変わりません。そして、経過をみてこそ、わかることがたくさんあります。
「後医は名医」という言葉があり、あとで診た医師のほうが経過が長い分、事前に治療をされて効果判定ができる分、正確な診断ができます。
そもそも、初診での正診率(正確に診断できる)は15%とも言われています。
なので、この前なかなか治らなかった風邪が、このお医者さんに行ったら治ったから名医!という訳ではないのです。
合うお医者さんは人それぞれ
口コミで「良い」と言われている先生でも、「自分には合わないな……」と思うこともあると思います。ママやパパの性格も人それぞれですし、小児科医の先生もそれぞれだからです。
私みたいに、「ママパパたちをとにかく支えたい」と思っている医師もいれば、「とにかく病気をきっちり治すことだけを大事にしたい」と思っている医師もいます。
ぜひ、1つだけでも「自分が行くと安心できる小児科医」をつくってみてください。これからの子育てライフ、心がグッと軽くなると思います。