たんぱく質が含まれている肉や魚はしっかり食べたい食品です。ただし、ママの体の免疫力が低下している妊娠中は、生のものを食べると食中毒になる可能性があります。食中毒になるとおなかの赤ちゃんの発達に影響が出ることもあるので、肉や魚の生食は避けたほうが安心です。
どうして肉や魚を生食してはダメなの?
衛生管理が行き届いた刺身などは問題ありません。ただし、買ってから日にちが経ったものは、食中毒を予防するためにも避ける必要があります。
たとえば、食中毒の原因となる細菌の1つ、リステリア。塩分に強く、冷蔵庫のような低い温度の場所でも増殖する菌です。ごくまれに乳製品や食肉加工品からリステリアが検出されることがあります。また生肉や加熱が不十分な肉は、トキソプラズマという原虫が潜んでいることもあります。
妊娠した人がこうした食べ物が原因で食中毒になると、ママの体が重篤な状態になったり、胎児や新生児に感染による影響が出たりすることがあります。
どんな食べ物を避けたほうがいいの?
リステリア菌に注意したい食品
ナチュラルチーズ(加熱殺菌されていないもの)、生ハム、肉や魚のパテ、スモークサーモンなど。
トキソプラズマに注意したい食品
生ハム、ローストビーフ、レアステーキ、生ベーコン、馬刺し、加熱が不十分な肉料理など。
生食を避けるための3つのポイント
1:食べる前にしっかり加熱する
リステリアもトキソプラズマも、加熱することで食中毒を予防することができます。特にトキソプラズマは、中心が67度になるまで加熱しないと死にません。肉や魚を食べるときは、しっかり中まで火が通してから食べましょう。
2:加熱された食品を選ぶ
冷蔵庫の中で長く保存したあと、加熱をしないでそのまま食べる食品は、気を付ける必要があります。例えばチーズはナチュラルチーズ(カマンベールチーズなど)よりも加熱されたプロセスチーズ(スライスチーズなど)を選ぶと、リステリアによる食中毒を防ぐことができます。ピザのように、チーズを加熱して食べる場合は問題ありません。
3:消費期限や賞味期限内に食べ切る
リステリアは、冷蔵庫内でも増殖する菌です。一度封を開けた食べ物は、できるだけ早く食べきるようにしましょう。
妊娠中に注意したいさまざまなことは、赤ちゃんが生まれたあとの離乳食作りでも役立ちますよ。おなかの赤ちゃんのことを考えながら、毎日の食事作りを工夫してみてくださいね。
※参考:厚生労働省「これからママになるあなたへ 食べ物について知っておいてほしいこと」ベビーカレンダー「【妊娠・出産のQ&A】リステリア菌での流産リスクはありますか」「【妊娠・出産のQ&A】馬刺しを食べてしまいました」