よく「鼻からスイカが出るほど痛い」と言われる出産。でも経験するまでは、そんなこと言われてもイメージできない、痛い痛いとは言っても自分の気持ち次第でなんとかなるはずと思っていました。そんな私の絶叫陣痛体験談をお話しします。
妊娠中の私のバースプラン
誰かの出産を身近で経験したこともないし、何から何まで初めての体験になる自分の出産。この体からどのように赤ちゃんが生まれてくるのか、思い浮かべてみてもあまりイメージできずにいました。
妊娠中に考えた私のバースプランには、「なるべく穏やかに出産に臨みたい」というもの。「生まれてくる赤ちゃんも大変」ということも頭にあったので、母としておなかの子に「大丈夫だよ」と語りかけるようなイメージで、落ち着いて、取り乱したりせず出産したい。そんなふうに考えていました。
破水から始まった出産
自分の出産が陣痛から始まるのか、破水から始まるのか、陣痛がこなくて陣痛誘発剤を使うことになるのか、こればかりは事前にはわかりません。
夫が休みの間に陣痛がきてほしいなと思い、スクワットなどいろいろ試してみたりしたのですが陣痛はこず。諦めて「一旦考えないようにしよう」と思っていたら、明け方、寝ているときに破水が起きました。初めての経験でしたが「これは破水だ」とわかり、すぐに夫と一緒に産院へ向かいました。
破水が起こったことにより「これから出産が始まるんだ」という心構えもできたように思います。
叫ばずにはいられない!
陣痛がどんどん強くなり、子宮口が7cmほど開いてきたころから「これは思いの外痛いぞ」と感じていました。陣痛の波がくるたびに今まで経験したことのない痛みがやってきます。頭では「痛い」と叫んでもどうしようもないことはわかっているのですが、叫ばずにはいられませんでした。
ただただその時々の状況についていくのに精一杯で、持参したアロマもCDも使う余裕がありません。今では笑い話ですが、「い……痛い! 痛い! ギャー!」と叫ぶことで体力を消耗し、陣痛が引いている数分間は眠ってしまう私を見て、夫はそれはそれはものすごく心配したのだそうです。
大絶叫のなか、結果的に破水から6時間で無事に赤ちゃんは生まれてきてくれました。助産師さんからは「もっとかかるかと思ったけれど、早かったね!」と言われ、お産の進みも早く安産でした。
知人から、「陣痛で待機している間、隣のLDRから“痛い!” と叫んでいる声が聞こえて、出産が怖くなった」という話を聞き、私はそうならないようにしようと出産前は思っていました。ですが、いざ自分の出産となると絶叫……。叫び声はきっと隣の部屋にも聞こえていたでしょうから、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。今思うと、私は叫ぶことで痛みから気をそらしていたのだと思います。何もそんなふうに気をそらさなくてもよかったのですが……。出産は理想通りにはいかないものだな、と身をもって実感しました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラスト/sawawa
監修/助産師REIKO
著者:立田みのり
一男一女の母。妊娠、出産を機に退職後、現在は自身の経験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。