※コロナ禍前の体験談です
きょうだいの立ち会いが可能!
3歳半になる長男と義実家へ里帰り出産。出産予定の病院では妊娠後期に必ず受ける母親学級があり、病棟案内のときに「パパだけじゃなくてきょうだいも立ち会いできるからね〜」と助産師さん。
出産に立ち会いができるのは待っていることが難しい小さい子どもだけかと思い、助産師さんに聞くと、「3歳ならわかるから連れてきていいよ」と軽い返事が!
家族との話し合い
長男は義両親に預ける予定だったので、助産師さんの言葉を聞いて少し前向きに考えた私は、帰宅後すぐに家族と相談しました。義両親は「いい経験になるかもしれないけれど、予防注射でも大泣きするのに怖い思いをするだけ」と反対。
都内にいる夫も「わざわざそんなことしなくてもいいのでは」と後ろ向きでした。私は長男を立ち会いさせてたくてネットを検索しまくり……。しかし、私が調べたものはトラウマになるなどのマイナスな情報しかなく、長男の立ち会いを仕方なくあきらめました。
いざ、立ち会い出産
出産当日は保育園を早退し、病院へ。分娩室に入るまでは長男にも付き添ってもらおうと陣痛室で面会していました。助産師さんが来て、長男が退室するタイミングがないまま一緒に分娩室へ移動。長男に出てもらおうとすると、長男がママと離れたくないとそのまま立ち会い出産へ。「痛い〜。出したい〜」と叫ぶ私の姿に長男は大泣き。
長男は泣きながらも、パパと一緒に「ママ、頑張れ〜!」と応援してくれました。赤ちゃんが出てきた瞬間は生まれた安心感と、夫や長男に見守ってもらえたうれしさで、いろいろな感情が入り混じり、夫や長男も新しい命の誕生に感動し、家族みんなで号泣しました。
2年後、長男の言葉
次男が生まれてから2年。長男が年長の夏。テレビで出産のシーンが流れているのを長男と一緒に見たときのこと。
「赤ちゃんはママのおしりから出てくるんだよね。僕は見たから知っているよ。あのときは泣いちゃったけどね」と、淡々と弟が生まれたときのことを話しました。「ママが大きい声を出していて泣いちゃったけど、怖くなかったよ」と長男が泣いた理由まで教えてくれました。
長男が立ち会うことに反対していた家族ですが、長男の言葉を聞き、立ち会わせてあげてよかったと言っています。もし立ち会えなかったとしても、出産について長男に言葉で伝えるつもりではいましたが、年齢や性別に関係なく、実際にきょうだいの誕生の瞬間に立ち会えることはいい経験だと思いました。立ち会った長男は、今度は妹を産んでほしいとよく話しています。少し母性も育っているみたいです。
作画/大福
著者:渡辺かほ
6歳・2歳の男児2人のママ。保育士資格を持つ元保育園看護師。訪問看護で働きながら、ライターとして子育てや医療に関する情報を発信している。