新生児や月齢が低い赤ちゃんは、抱っこしていれば落ち着いて寝ているのに、布団に置こうとすると泣き出してしまうことがあります。なかなか眠ってくれない赤ちゃんに困っているママも多いと思います。今日はそんなママのためのお話です。
「おひなまき」とは?
赤ちゃんをママのおなかの中にいたときのような、まるまった体勢にして布でくるむ方法を「おひなまき」と言います。この「おひなまき」という言葉は、元々製品名でしたが、今では赤ちゃんの体を丸くして寝かせる方法として、一般的な言葉になっています。このような体勢で寝かせる方法は、日本では農作業をするときに子どもを入れて寝かせていたカゴ「嬰児籠(いじこ)」がルーツだそうです。また、欧米では「スワドリング」と呼ばれています。
おひなまきには、さまざまな効果があるとされていますが、1番の効果はよく眠ることです。ママのおなかにいたときの体勢をおひなまきで再現することで、赤ちゃんが安心できるからと言われています。また、赤ちゃんをおひなまきにすると、生後間もない赤ちゃんに起きがちな「モロー反射」を抑える効果もあるそうです。
※モロー反射は、音や振動で腕と脚が動いてしまう原始反射です。新生児が目覚めてしまう原因の1つと言われています。
おひなまきの方法
おひなまきに使う布は、四角い形であれば何でもかまいません。おくるみ、バスタオルなどでもOK。ガーゼタイプや薄手の生地の方が巻きやすく崩れにくいです。おひなまきをする際には、きつすぎず、ゆるすぎないようにするのがポイント。綿100%のダブルガーゼやメッシュ素材など、通気性のある素材がおすすめです。
巻き方
【1】長方形の布を横長になるように置き、赤ちゃんの肩部分と布の上辺を合わせ、布の中央に赤ちゃんを寝かせます。このとき、赤ちゃんの肘を折り、脇をしめ、手があごの下にくるようにしておきましょう。左上の布の角を持ち、赤ちゃんを正面から見て右脇腹の下に布を挟むようにします。
【2】反対側も同様に、右上の布の角を持ち、赤ちゃんを正面から見て左脇腹の下に布を挟むようにします。
【3】赤ちゃんの膝を曲げ、「あぐら」の状態か、足の裏同士をくっつけるような状態にし、布の左下の角を、赤ちゃんを正面から見て右肩の方向へ持ち上げます。反対側も同様に、右下の角を赤ちゃんの正面から見て左肩の方向へ持ち上げ、両肩に持ち上げた布の角同士を、首の後ろに入れこみます。
巻き方にはいろいろな方法があります。上記の方法は、私自身がママたちに教えている方法です。巻き方が簡単で、赤ちゃんにとっては圧迫や拘束が少ない方法で、安全のためにきつくなり過ぎないようにしています。
おひなまきの注意点
おひなまきは、新生児から行えます。手足をバタバタ動かすようになる生後3~4カ月ごろまでが目安です。あくまでも目安なので、生後3カ月前でも嫌がるようでしたらあっていないのかもしれません。生後4カ月以上でも心地よく眠れるようでしたら続けていただいて大丈夫です。
注意したいポイント
【1】目を離さない
顔元を圧迫していないか、苦しそうではないか、顔色が悪くなっていないかを10〜15分おきにチェックするようにしましょう。
【2】長時間は避ける
体温の上がりすぎや、股関節への負担を防ぐためになるべく、1時間に1回はおひなまきをゆるめ、赤ちゃんの状態をチェックするようにしましょう。
【3】暴れるときは無理をしない
赤ちゃんが、足を頻繁に突っ張ったり、バタバタと暴れたりするるようならば、おひなまきをほどきましょう。無理をしないようにしてください。
最近は、おひなまきと同じ効果がある伸縮性のある寝袋のようなものも販売されていています。おひなまきをすると、多くの赤ちゃんは落ち着いて眠りますが、おひなまきのような丸まった体勢を好まない赤ちゃんもいます。泣きが強くなったり、暴れたりする場合には避けるようにしましょう。