頼れない環境
両親や知人のいない土地で子育てをしていた私は、体調不良になっても誰かに頼ることができず、とにかくわが子にごはんを食べさせて危険のないよう見守り、無事に1日を終えることしかできない日もありました。
夫は洗濯や掃除などの家事には協力的でしたが、料理は絶対にしない人だったので、私が体調不良のときに掃除はお任せできても料理は無理して作っていました。胃腸炎の際はさすがに無理だ!と仕事中の夫に状況を説明するメールを送ると、「晩ごはんは食べて帰るからいらないよ。ゆっくり休んでね」と返信が。夫に申し訳なく思いつつも食事を作らなくていいことに安堵し、うちの夫はやさしいなぁと思っていました。
子どものお世話は休めない
頭痛やだるさくらいの体調不良であれば、多少無理をしてもお出かけや買い出しに行っていましたが、親子ともに胃腸炎になった際は外出することもままならず、いつもより多い夜泣きに寝不足になりながら、無理をしてでも汚れたシーツの洗濯や家事をしていました。
しかし、なかなか症状が治まらず、買い出しにも行けず、グズる子どもを抱いていて料理できない日が長引き、ついには食料も底をつきてきたころに、ふと気がつきます。こんな状況でも夫は毎日おいしいものを外で食べているのだ!と。私は頭をハンマーで殴られたかのような衝撃を受けました。
察してもらうのは難しい!
食事を作れないことに罪悪感をもっていたので、夫からの“ごはんいらないメール”がやさしさだと思っていた私は、その間違いに気がつきませんでした。一見、体調不良の妻を気づかうようでいて、同居する家族の状況がまるで見えていないのでは!?とも感じたのです。
料理ができないほどの体調不良なら、妻がまともな食事を食べられていないことは想像に難くありません。外出もできていないなら食材だってない。気づいた際には一瞬怒りが湧いてきましたが、単に知らないだけかもと思い直し、すぐさま夫に買い出しリストと簡単で良いので何か作ってほしい旨のメール。その日の夕食は私が教えながら作ってもらった温かいお味噌汁にありつけました。
言わなくても察してもらうということは難しいことなので、体調不良のときはどんな状況になって何が困るのかを夫に説明しました。ちなみに夫は、今ではごはんやスープ、カレーなど簡単なものは作れるように! あのときのことは笑い話になり、私の体調が悪いときには「何を買っていく?」とメールをくれるようになりました。