私は以前小学校の教員をしていましたが、妊娠中はひどいつわりや大きなおなかでの授業など大変なこともたくさんありました。そんなとき、職場のサポートはもちろんのこと、子どもたちもたくさんサポートしてくれたのです。子どもたちのあたたかさが伝わりうれしかったエピソードをご紹介します。
初めての妊娠がわかったとき
小学4年生の担任を持つことになった4月。新学期早々なんだか体調が優れず微熱が続きました。自分でももしかして妊娠したかも?と思いながらなんとか仕事をしていると、クラスの子が「先生、最近具合悪い? もしかしたら赤ちゃんできたのかもよ! 無理しちゃだめだよ!」と言ってくれました。
そしてその後妊娠が判明すると、子どもたちが「先生と赤ちゃんを大事にしなきゃ!」「ドッジボールはやらないで!」「荷物持つ!」などと気をつかってくれたのです。
つらいつわりの時期
待っていたのはつらいつわり。朝起きて吐いて、朝食を食べて吐いて、仕事場について吐いて……授業中もぐったりな私を見て、子どもたちも心配そう。
それでも「うちのママがね、つわりがあるのは赤ちゃん元気な証拠って言ってたよ!」「おなかの中で今日も赤ちゃん暴れてるね! 先生頑張れー!」と励ましてくれました。「ストレスが良くないんだって! みんなちゃんと先生の話聞いて!」なんて気をつかってくれたときは思わず笑ってしまいました。
みんなで妊婦健診を楽しみに
私が当時通っていた産院では、健診のときに赤ちゃんの様子をDVDに記録してくれていました。そこで、毎回妊婦健診の次の日はDVDをみんなにも見せることに。
おなかは目立たないけど赤ちゃんがこんなに動いている!と感動したり、おなかが大きくなって胎動がわかるようになると、そっと手を当てたりおなかに向かって話しかけたり、一緒に成長を喜んでくれました。
子どもたちよ、ありがとう!
その後出産し育休を経て職場復帰したものの、当時担任していた子たちの授業を受け持つことがなかったため、直接お礼を言うことはできませんでした。けれど、あのとき支えてくれた子どもたちには本当に感謝しています。
そして、今でも「あのやんちゃな子がおなかに向かって一生懸命話しかけていたなぁ」なんて思いだすと、担任した子どものことも、おなかから無事に生まれてきた自分の子のことも本当に愛しいです。
妊娠中、つわりのつらさを見てきた子どもたちは、おなかが大きくなくてもつらい時期があること、マタニティマークはそんな人をそっと知らせてくれるマークと知りました。今ごろ電車やバスを使って通学しているのかな。あの子たちならきっと見知らぬ妊婦さんにもやさしくしてくれるんだろうなと思っています。
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監修/助産師REIKO
著者:小林まり
3男1女の母。元小学校教員。夫は土日出勤、出張も多いNPO職員。育児の大変さを実感しながらもコツをつかみ始めてきたところ。自身の経験を中心に執筆している。