注意したことを聞いてくれない娘
当時2歳の娘はとても自己主張が強く、「このコップで飲みたい!」、「自分で(洋服を)着る!」など自分の意見を通したいようで、私が「ダメ」と答えると娘はイライラ。
「そんなふうにして飲むとこぼすよ」、「地面が濡れているからジャンプするとズボンがびしょびしょになるよ」など、娘が失敗しないように私が注意しても聞いてくれません。すると案の定、失敗して「ほら言ったでしょ!!」と私の怒りも募るばかり。どうしたら言うことを聞いてくれるのか……と私は頭を抱えていました。
理由を説明しても通じない
どうして注意するのか、その理由を娘に話しても意味はありませんでした。それどころか私はちゃんと言い聞かせたつもりなのに、どうして娘はそれに答えてくれないのかというイライラが大きくなるばかり。娘に説明するという手間をかけたのに、それが無駄になってしまっていることに不甲斐なさと憤りを感じていました。
そして、相手は2歳児なので、こちらが我慢するしかないのかな……と思うように。しかし私が疲れているとついつい強い口調で娘を叱ってしまい、反省を繰り返す日々でした。
娘に放った嫌味がなぜか通じた
あるとき、娘はいつものようにふざけて水を飲もうとしていました。私は「そんなふうにふざけていると、こぼしちゃうよ」と言いました。「いいの!」と娘。「服が濡れちゃったら、お気に入りのお洋服を脱がなきゃいけなくなるよ。そしたらそのお洋服を着てお散歩に行けなくなっちゃうんだよ」と私は付け加えました。
すると娘は「このお洋服がいい!」と言い、きちんと水を飲もうとしたのです。私は嫌味のように長々と言ってしまったと思っていた言葉が、なぜか娘を納得させたのでした。
先を見通せない娘に必要な説明とは?
どうして娘は納得したのだろう? と私なりに考えました。すると、失敗したあと具体的に何が起きるのか、何ができなくなるのか理解したからかもしれないと気づきました。大人は服が濡れれば着替えが必要になると予測できますが、娘にはできないのかもしれないと思い、私は娘にどのような不都合が起きるかまで具体的に説明するように……。
例えば「今ズボンを濡らしたら替えがないから家に帰らなくちゃならなくなるよ。そうしたらもうお散歩ができないよ」など。必ずしも成功するとは限りませんが、娘は少しずつ言うことを聞いてくれるようになりました。
私は自分なりにきちんと注意していたつもりでしたが、娘にとっては不十分だったと反省しています。娘は私の言うことを聞かなかったのではなく、私が注意していることの意味を理解できずにイライラしていたのかもしれません。これからも娘が私の言うことをどのようにとらえているのか、気をつけて関わっていきたいと思います。
作画/大福
著者:更田未央子
7歳と3歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。