それぞれの思い
私が妊娠に気がついたのは妊娠3カ月のときです。妊娠がわかったときはとてもうれしかったのですが、これからどうしたらいいのか何もわからない不安もありました。17歳ということもあり、家族とも話し合いをしましたが、「若いのに大丈夫なのか」と心配されるばかりでした。その心配はとてもありがたく思ったのですが、私の中では若いから母親になることはいけないと言われているように感じたのです。
その後も話し合いを重ね、産むことに賛成してもらえたときはとても安心できました。同時に、若くても大丈夫だと思ってもらえるような母親になりたいと思いました。家族の協力もあり、落ち着いた環境の中で、妊娠生活を送ることができたことにとても感謝しています。
想像以上の痛みと感動
私は出産予定日3日前の妊婦健診で、赤ちゃんの頭が少し大きく、それに加え私の骨盤が狭いと担当の医師に言われました。そのため出産予定日の前日から入院をして、陣痛促進剤を使用することに。初めての出産に加え、まだ17歳で情報共有する先輩ママも身近にいないため、ネットで陣痛促進剤による出産のことを調べました。
実際、陣痛促進剤の点滴が始まると、おなかの張りや生理痛のような痛みがありました。けれども時間が経つにつれて我慢ができないほどのおなかの痛みになり、声を出さずにはいられませんでした。そしてこの激しい痛みこそが、陣痛だと気づいたのです。
そして、9時間の陣痛を乗り越え、無事に赤ちゃんと会えたときは安心とうれしさで自然と涙が溢れました。そして支えてくれた家族の大切さが身に染みてわかった瞬間でした。
子育ては何事も全力で
初めての出産の次は初めての子育てに奮闘する日々が待っていました。私は通信制高校に在学していたため、学業に追われているときもありました。そのため泣くばかりの赤ちゃんに困り果て、一緒に泣いてしまうこともありました。そんなときは家族の手を借り、学業とバランスをとっていきました。
離乳食が始まったときは、親に作ってもらっていたごはんを自分で作る練習からでした。母に教えてもらいながら調理の仕方を学び、アレルギーなど赤ちゃんにあげてはいけないものを保健師さんに聞きました。学ぶことが多く大変でしたが、赤ちゃんの笑顔のために頑張ることができました。
赤ちゃんがハイハイをするようになると、トンネルのおもちゃなどを購入。私も一緒になって遊びました。体力が尽きず一緒になってとことん遊べるところは若くてよかったなと思います。
10代の出産で不安もありましたが、周りのサポートのおかげで頑張れました。ひとりで抱えずに相談したからこそサポートを受けることができ、相談することの大切さにも気がつけたのでよかったです。当時のアドバイスのおかげで今も頑張れていると思います。現在も家族にサポートを頼むこともたくさんありますが、これからもわからないときや不安なときは家族や周りの方などに相談していきたいと思います。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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イラストレーター/ムチコ
監修/助産師 松田玲子
著者:河村アリス
7歳、5歳、4歳、2歳の4人の母。4人の子どもと忙しくも楽しい日々を満喫中。自身の子育て経験をもとに執筆している。