イラストレーターのアベナオミさんは、2011年3月11日、宮城県仙台市近郊の利府町で東日本大震災を経験。当時、長男の豆キチくんは1歳7カ月でした(現在は、二男アンチョビくん、長女モナカちゃんが生まれ、3児の母)。
アベさんは、震災翌日に生理に。電気・ガス・水道といったライフラインがストップしているなか、生理ではどんなことに困ったのか、そしてこれから、どんなことに備えるべきなのか……。あまり語られることのない「震災と生理」についてリアルな状況と、経験者だからこそ、皆さんに知っておいてほしいこと、備えておいてほしいことについて教えてくれました。
地震が起きようが、断水しようが、大震災が起きたって、生理は待ってくれません。
まさかのまさか!! 私の場合、経血のピークが1日目の夜~2日目の朝だったので、もう絶体絶命!
わが家は夫婦それぞれ車を持っていましたが、夫の車は会社の近くで津波に流されてしまい、車と車の間に挟まったまま……。私の車はガス欠寸前。実はガソリンを入れに行こうと出発したときに地震が発生したのです。
そしてこのとき、道路は停電で信号が止まり、渋滞が発生していました。車のガス欠を防ぐため、私たちは歩いて買い物に行くことに……。
震災翌日は、在庫のある限り、まだ商品を販売しているお店がたくさんありました。しかし、在庫がなくなったら閉店。そして、その状態は、物流が戻るまで、しばらくの間続いたのでした。
いろいろと探し回りましたが、トイレットペーパー、紙おむつ、生理用ナプキンはどこのお店にもなく……。しょんぼりしながら、帰りました。
帰り道の空に立ちのぼる黒い煙は、津波で発生した火災の煙です。きっと沿岸部はもっと大変なことになっている……そう思うと、ナプキンがないくらいでメソメソできない……と思い、ナプキンがないつらさは声に出しづらかったです。
アベナオミさんが体験した、震災での生理体験のお話はまだまだ続きます。なかなか聞くことのできないお話です。ぜひ次回も読んでいただき、備えの参考にしていただければと思います。
アベナオミさんは、震災後、小さな子どもを連れた被災後の生活の様子や防災を伝えるコミックエッセイなどを執筆し、「防災士」の資格を取得。被災体験をもとに、本当に必要な防災、続けられる防災「1日1防災」に取り組みつつ、防災講座などの活動もおこなっていらっしゃいます。
なお、アベナオミさんの防災に関する書籍は「日めくり 被災ママが教える後悔しないための1日1防災」(PHP研究所)、「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」(学研プラス)、「全災害対応! 子連れ防災BOOK 1223人の被災ママパパと作りました」(祥伝社)など。どれも、知っておきたい防災の情報がぎっしり詰まっています。こちらもぜひ読んでみてくださいね。
監修/助産師REIKO