授乳の時の悩みの1つに、乳首が切れることによって授乳がつらくなってしまうことがあります。痛いだけでなく、授乳が嫌になってしまったりストレスに感じることもあります。今回は、おっぱいに傷ができないようにする方法や、傷ができてしまったあとのケアについてお話ししていきます。
おっぱいが切れる原因
おっぱいの吸い方が浅い
乳頭の先が切れる原因は、飲み方が浅いことによって乳頭の先に負担が集中して水泡ができたり傷ができることがあります。乳頭を乳輪の部分まで深く加えることで乳頭の先への負担が軽減されます。赤ちゃんの開口が小さいこと授乳姿勢でママと赤ちゃんが少し離れていることなどで起こることがあります。
乳頭が硬く、伸展が悪い
乳頭の根元が切れる場合は、おっぱいの乳頭が硬く、伸展が悪いことが原因になります。乳頭の根元に負担がかかり皮膚が薄くなったり、切れて出血してしまうことがあります。初産婦さんに多く見られます。
乳頭・乳輪の皮膚の乾燥が強い時も皮膚の伸びが悪くなり傷がつきやすくなります。
赤ちゃんが乳首を噛んでしまう
歯が生え始めに多く、歯茎からちょこっと歯が萌出してきたころに乳輪部や乳頭の根本にあたってしまうことがあります。また、歯が生えだした頃は、歯がむず痒かったりすることでで噛んでしまうこともあるようです。
また、授乳途中で分泌が一度落ち着いて再度湧いてくるまでの間に噛んでしまうこともあります。
おっぱいが切れて出血!対処法は?
乳頭の先が赤くなった、出血がある場合
乳頭を保護するラノリンや馬油などのクリームで保護します。痛くて直接授乳できない場合には、一時的に搾乳して乳頭の傷の部分を休める方法もあります。
昔は、クリームの塗布後にラップを貼っておく方法を指導していたことがありますが、ラップは空気を通さないので治癒に時間がかかるので避けたほうがいいでしょう。
クリームを塗ったあとはそのままでも大丈夫ですが、母乳パットを当てる場合は、繊維が傷にくっついてしまうことがあるので、清潔なガーゼなどを当てておくなどしてみましょう。
乳首の根本などの傷が深い場合
傷は乾燥させないように治す湿潤療法が基本です。
キズパワーパッドなどの湿潤治療被覆材を授乳の合間に貼って対応しましょう。痛みが強い、膿が出ている、傷が深いなどあれば産婦人科や皮膚科を受診しましょう。
どちらも乳頭保護器を使用して、傷に直接口が当たらないように保護する方法がありますが、傷の場所によっては保護器に当たって痛みが強く感じる方もいるようです。
おっぱいが切れないための予防法
乳頭が硬い場合
授乳前や入浴中やお風呂あがりなど身体が温まっている時に乳頭をマッサージしましょう。ラノリンなどのオイルを使ってマッサージすると痛みも少なく保湿もできて効果的です。日々積み重ねることで徐々に柔らかくしていき、目標は耳たぶぐらいの柔らかさです。
吸い方が浅い場合
赤ちゃんの口に乳頭を乳輪まで深く含ませて乳頭に負担がかからないようにしましょう。乳輪が大きめな方は、下唇の方をできるだけ多く含むようにしましょう。また、赤ちゃんとママがおへそとおへそが向かいあうようにしてぴったりと身体をくっつけて授乳するようにしましょう。授乳姿勢がうまくできない場合は、母乳外来などでチェックしてもらうといいかと思います。
赤ちゃんの歯が当たる、噛んでくる場合
授乳姿勢を変えてみながら、歯が当たらない位置を探してみます。噛まれたら授乳をすぐに中断して、痛いからやめてほしいことを赤ちゃんに伝えましょう。噛んでしまうと授乳が中断されてしまうことを繰り返していくうちに噛まなくなってくるお子さんもいます。
外すときは赤ちゃんの鼻をつまんだり、口の中に指を入れたりして噛んだまま乳頭を引っ張らないようにしましょう。
授乳後半で飲みがゆっくりになってきた、眠そうになってきたなど噛んでしまうタイミングがわかる場合は、それに合わせて噛まれそうだなというタイミングの前に乳頭から外すようにしましょう。
乳首の傷の痛みが強かったり、治るまでに時間がかかると授乳にストレスを感じてしまうママもいて、授乳を継続できなくなり断乳など授乳期間の短縮の原因になることもあります。できるだけ快適に授乳を続けられるように、試してみてくださいね。