特集 不妊治療

<ニッチェ江上さん独占取材#1>「何でわかってくれないの?」夫婦間の温度差に苦しんだ不妊治療

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ニッチェ江上さん1

 

江上敬子さんは、「ニッチェ」というコンビを結成しているお笑い芸人です。現在はバラエティー番組にレギュラー出演するほか、「ニッチェ江上敬子のダンナやせごはん~胃ぶくろをつかむ、嫁ラクレシピ!」「ニッチェ江上敬子ダンナやせごはん~かさ増し!レンチン!缶タン!編」など、料理本の出版もおこなっています。また、2015年9月には一般男性と結婚し、2020年9月5日に第一子を出産しました。

 

今回は不妊治療のお話を中心に、治療中につらかったことや、つらい時期の乗り越え方などを取材させていただきました!

 

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不妊治療中の夫婦関係は真っ黒!? 溝はどんどん深まっていき…

ー江上さんは不妊治療の上、出産されていますが、どのくらい治療を続けていたのでしょうか?

 

江上さん:トータルの期間は2年間くらいでしたね。結婚して、子どもが欲しいなと思ったときに、自分の体がどういう状態なのか知らなくてはいけないなと思い、検査を受けることにしました。

 

ーそこでの結果はどんなものだったのでしょうか?

 

江上さん:検査は旦那と2人で行き、旦那には何も問題がなかったんですが、私は卵子が育ちづらい体質なだけでなく、子宮内膜症が見つかり、妊娠しづらいことがわかったんです。まずはそこを改善するために、1年くらいの時間を費やしました。

 

ー実際不妊治療をおこなっているときに、「一番つらかった」と思うことはどんなことでしたか?

 

江上さん:夫婦間の認識の差ですね。あとは、比重です。子どもは2人で作るものなのに、どうしても女性の負担が大きくなってしまうなぁと。女性しか子どもを産むことができないからこそ、仕方のないことなのかもしれないですが、2週間に1度、遠い病院へ早朝に通い、仕事に行き、同じ時間に薬を飲み、おなかに注射をしていると、本当につらくて「なんで私だけ」と思ってしまうこともありました。さらに、BMIが高めだと妊娠しづらいということで、体重も8キロほど減らしました。その間、旦那は普通に生活をしているからこそ、どうしてもイライラしちゃうんですよね……。本当なら、そのすべての苦労を話して理解してもらえばよかったんですが、当時は自分から話す気力もなかったんです。男性にしてみれば、「言われないからわかんないよ! 」という感じだと思うのですが、心のどこかで「言わなくてもわかってよ! 」という気持ちがありましたね……。「2人で治療しているんだから、もう少し気を遣ってよ! 」みたいな感覚の差もあったりして……。なので、そういったお互いの認識の違いから、どんどん溝が深まっていって、そのころの夫婦の仲は最悪でした。

 

ーそのような夫婦間の溝は、どのように解消していったのでしょうか?

 

江上さん:話し合いもしたんですが、当事者同士はうまくいかず……。わが家では、お互い仲がいい友達に間に入ってもらい、話を聞いてもらうことにしたんです。旦那も私も、直接言えないようなことをその友達には言えますし、第三者がいるということで、ちゃんと冷静に言葉を咀嚼して考えることもできたんです。それからは少し落ち着きましたね。今思うと、そこが不妊治療最大の山場だった気がしますし、今思えば「言わずともわかってくれよ」と思わずに、もっと自分の気持ちを素直に言っていればよかったなと思いますね。

 

ーそういった治療に対する夫婦間の温度に悩む方は多いと思います。男性に不妊治療について理解をしてもらうのは、なかなか現実では難しいようですね。

 

江上さん:そうなんですよね。でも、これから2人の子どもが欲しいと思っているのに仲が悪くなったら意味がないと思います。私も夫婦関係の暗黒時代を切り抜けるために、意識的に実践していたことがあるんです。それはとにかくポジティブな将来のことを話すということでした。「子どもができたら、どんな漢字の名前にしようか」とか、「何を習わそうか」とか、そういった妄想を楽しむようにしていました。それだけで和むんですよ。自分たちの気持ちも前向きになりましたね。

 

「どこまでチャレンジするのか」を2人で決めることがすごく大切

ー今は不妊治療に対しての保険適用化のお話もありますが、どう考えますか?

 

江上さん:すごく素晴らしいことだと思います。そこで諦めてしまう人もいると思いますし、実際に私のまわりにも、そういった夫婦が何組もいるんです。なので、なるべく早く実現化してほしいですね。私の希望としては、「今子どもが欲しい! 」と思っている人たち全員に、適応されるといいなと思っています。なので、1日でも早く可決してもらいたいですね。

 

ー 金銭的な問題で諦めるのは悲しいですよね。

 

江上さん:そう思います。また、不妊治療をおこなう際に絶対に大切なのは、「どこまでやるのか」を決めることだと思うんですよ。自分たちの中で期限というか、「ここまで挑戦しよう」という線引きをちゃんと決めるというか。それに、できることをやるだけやって無理だったら、諦めもつきやすくなると思うんですよね。

 

ー 不妊治療を受けるときに、事前に何か2人で決めていたことはあるんですか?

 

江上さん:金銭面や年齢などに制限があったので、私たちの場合は最初から“何回まで”と回数を決めていましたね。「この回数で挑戦してみて無理だったら、金銭的にも続けられないし、諦めましょう」という感じできちんと2人で話してから、治療を始めました。

 

ー 最初に不妊治療について、どういう方向性でおこなうのかを確かめておくということは大切なことですよね。ほかにも、治療でつらいときなどは「察して欲しい」と相手に求めるのではなく、今の状況や自分の思っていることを伝えることが大切だとおっしゃっていましたが、それもすごく大事なことだと思います。

 

江上さん:「察してほしい」という気持ちはわかるのですが、女性も男性も自分の言葉で説明するのが面倒なんでしょうね。でも何でかそう思っちゃうんですよね。​ただ、その状態だといつかケンカになってしまうと思うので、ケンカになったときに「自分たちには何が足りなかったのか」ということを見直すことが大切だと思います。男性は男性なりに絶対悩むし、しんどいだろうし、どうしていいかわからないと思うんですよね。なので、女性も「自分ばっかり」って思わないようにするのは大事なんだなって、それは自分の経験を通してそう思いましたね。

 

ーそれでは、不妊治療を頑張っている人たちにメッセージをお願いします。

 

江上さん:まず、“1人じゃないよ”ということを伝えたいですね。今はSNSを駆使すると、同じ体験をしている人や、同じことで苦しんでいる人、喜んでいる人などがいっぱい見つかるんです。なので、そういう人たちとたくさん繋がって、一緒に頑張っていることを実感してほしいですね。手を出せば、絶対に握ってくれる人はいます。決して1人で抱え込まないでほしいですね。

 

 

今回は不妊治療に特化した内容を取材させていただきましたが、いかがでしたか? 不妊治療中の夫婦関係など、一歩踏み込んだ内容についても、江上さんはときに明るく、ときに真剣に話してくださいました。さて、次回はコロナ禍の妊娠・出産についてお話を伺っています。次回の配信もぜひ楽しみにしていてくださいね!

 


PROFILE:江上敬子さん

島根県出身の1984年9月17日生まれマセキ芸能社に所属しており、女性お笑いコンビ「ニッチェ」ではボケを担当している。

著者

ライター 吉田可奈


エンタメ系のフリーライターとして活動しているシングルマザー。13歳、10歳の子どもを子育て中。発達障害・知的障害の子どもに関する著書を出版している。


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