面倒見のいいお姉ちゃん
もうすぐ2歳になる息子はイヤイヤ期の真っ最中で、親の私たちですら手に負えないと、途方に暮れる日もあるほど。
しかし、お姉ちゃんは根気よく「どうしたの?」「こっちがいい? それともこっち?」「今やりたくないなら、あとで一緒にやろうか」などと声をかけながら、私が家事で手が離せないときも隣で一緒に遊んでくれていて、その面倒見のよさにいつも本当に助けられています。
弟のケガ
ある土曜日の午後のことでした。私がキッチンで昼食の片づけをしているときに、リビングでお姉ちゃんとおままごとセットを広げて楽しそうに遊んでいた息子。突然大泣きする声が聞こえたと思った数秒後、お姉ちゃんが「ママ! 血が出ちゃってる!!」と急いで私に教えてくれました。
プラスチック製のおもちゃの一部が割れて、息子の指に刺さってしまったよう。ケガの手当てをしながら「壊れてるの気づかなくてごめんね! ママが悪かったね」と、思わず何度も私は息子に謝りました。
そばにいたのに
外科を受診したところ、幸い息子のケガは縫うまでには至らず、病院の先生からも10日ほどで自然治癒する見込みと言ってもらえて、本当にホッとしました。
病院から帰宅後、家で待っていたお姉ちゃんにも診断結果を伝えると、「私がそばにいたのに気づかなくてごめんね。もっとちゃんと見てあげていたらよかった」とポロポロと泣きながら弟に謝るのです。そんなお姉ちゃんを見て、私は胸が張り裂けそうな思いがしました。
罪悪感を感じさせてしまってごめんね
普段遊んでいるおもちゃが割れているのは大人の私たちですら想定外で、当然お姉ちゃんに落ち度はまったくありません。それなのに泣き出してしまうほどの罪悪感を抱きながら弟の帰りを待っていたのかと思うと、お姉ちゃんを抱きしめながら私も一緒に泣いてしまいました。
落ち着いてから「悪いのはきちんと点検していなかったママで、お姉ちゃんはまったく悪くない。いつも弟とたくさん遊んでくれてありがとう」と改めて伝えたところ、少し安心したような笑顔が見られて、私もホッとしました。
やさしい面倒見のいいお姉ちゃんに甘えて弟のお世話を任せきりにしたせいで、本来感じなくてもいい罪悪感を抱かせてしまい、息子にもお姉ちゃんにも申し訳ない気持ちでいっぱいです。今後はおもちゃの点検はもちろんですが、お姉ちゃんの傷ついた心をケアできるようたくさんコミュニケーションをとって伝えていこうと思っています。
著者:近藤あいこ/女性・主婦。6歳女児と1歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠や出産、子育てに関する体験談を中心に執筆している。
作画:ライコミ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています