すぐ治ると思い込み誰にも相談せず退院
最初に何かおかしいと感じたのは出産後すぐ、入院中に授乳をしたときです。言葉ではうまく表すことのできない胸をぎゅーっとえぐられるような不安感と、足元からゾワッとくる気持ち悪さに襲われました。授乳を始めてから終わるまで継続してその症状に襲われるわけではなく、私の場合は授乳開始から1分ほどで症状が落ち着きます。
産後すぐのことだったので、ホルモンバランスが崩れているせいかな? 耐えられないほどのつらさではないし、すぐ治るだろうと授乳時に起こる不快感について誰にも相談せずに退院しました。
授乳をすると死にたくなるように
帰宅してから何度か授乳をするうちに、明らかにおかしい症状に気が付きました。授乳をするとすぐに喉が異様に乾き、水を飲みたくてたまらなくなり、鳥肌が立つほどの不快感と吐き気が。さらに猛烈な不安感、急に倒れてしまいそうなほどの異様な眠気に襲われました。おっぱいを一生懸命飲んでいる赤ちゃんを突き放したくなるほど苛立ってしまうことも。
夜間は特に症状が重くなり、消えてしまいたい、死にたいと思いながら歯を食いしばって泣きながら授乳をし続けました。この症状の特徴は授乳をするときだけに起き、授乳が終わると治まることでした。
症状の正体はホルモンの影響?
夜間授乳の際は、不快感を紛らわせるために赤ちゃんが起きないよう、音を出さずにYouTubeをよく見ていました。そのときにたまたま妊娠中から参考にしていた助産師HISAKOさんの動画が目に入りました。動画のタイトルは「授乳しようとすると不快感が…不快性射乳反射D-MER」。授乳の不快感、まさに私が今悩んでいることだったので、藁にもすがる思いですぐに動画を視聴。
動画では、授乳中の不快感はホルモンによる影響ということや、D-MERの症状について詳しく説明されていました。そして、それらの症状は私が感じているものとほぼ一致。このとき初めて、自分はD-MERなのではないかと思いました。
私のD-MER対策方法
私はD-MER かもしれないと気付いてから、自分なりに対策をすることにしました。私が実際にしたD-MERの対策方法は、とにかく他のことで気を紛らわせることです。好きなテレビやYouTubeを見る、好きなアロマの香りをタオルにつけて嗅ぎながら授乳をしました。
特に私が心身ともに助かったのは、育児用ミルクをあげることと、誰かに協力してもらうこと。症状がつらいときは早めに母乳での授乳を切り上げて育児用ミルクをあげたり、授乳を一旦お休みして育児用ミルクだけを夫にあげてもらったりしました。うまくD-MERと付き合いながら授乳をし続けることができ、息子が生後6カ月になるころに症状はすっかり完治。
当時は症状について周りから理解が得られず、授乳がつらくて気持ち悪いと思う私を異常で母親失格のように思われることも。原因がわかってからは周りの反応が良い方向へ変わりました。自分なりにとった対策方法で症状は改善されましたが、授乳中の不快感を感じたときにすぐ、医師や専門家に相談したらあんなに苦しまずに済んだかもしれないと思う体験でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師REIKO
著者:米久 熊代
0歳男児の母。人材会社や人事の仕事を経験し、夫の転勤を機に退職。現在はフリーランスとして前職関係の仕事とライターをしながら、プレママ・新米ママ向けブログを運営中。