発熱時の対処法はネットなどを見てもいろいろ書いてありますが、「絶対にやらなきゃいけないこと」はあまり多くありません。「体冷やさなくちゃ!」と思って焦らなくていいです。やってはいけないNG行動にだけ気をつけながら、なるべく安心した気持ちで看病ができるといいですね。
NG1:冷却ジェルシートを貼ったまま寝かせる
「発熱時は体を冷やしましょう」とよく聞くため、冷却ジェルシートをおでこなどに貼る親御さんが多いですが、冷却ジェルシートに体を冷やす効果はありません。
生後4カ月の赤ちゃんに市販の冷却ジェルシートを使用して目を離したため窒息状態となり、低酸素性虚血性脳症になった事例があります。0歳の赤ちゃんには使用しないほうが良いでしょう。
幼稚園の年齢くらいの子だと、おでこに冷却ジェルシートを貼ると気持ちよくてお熱や頭痛が緩和されたように感じることがあります。私自身も頭痛のときなどに冷却ジェルシートは愛用していて、うちの子どもたちも大好きです。
「2歳以上で」「起きているときに」「シートを貼りたがった場合」は、おうち生活を楽しくしてくれるアイテムの1つとして使ってよいでしょう。
体を冷やすアイテムとしては氷枕が効果的ですが、お子さんが氷枕を嫌がるときは無理に使わなくて大丈夫です。
NG2:布団をかけすぎる、服を着せすぎる
昔ながらのおばあちゃんの知恵袋的な知識で、「熱が出たら厚着をさせて汗をかかせる」というものがあります。最近は随分少なくなりましたが、熱で受診した子が厚着で着膨れしている、ということがあります。
熱が上がってくるときは寒気がするので、子どもが「寒い」と言っていたり、ガタガタ震えて寒そうにしているときは、もちろん布団を着せたり厚着させても大丈夫です。
熱が上がってくるときは体が病原体と闘っているときです。このときに体を冷やそうとしても熱は下がりません。服を着せたり布団をかけて温めても、汗はかかずに、熱だけこもってしまうので、「うつ熱」のようになってしまいます。
熱が上がりきったあと、汗をかき始めます。熱が上がりきって発熱している子どもが暑がっているときに「汗をかいたほうが熱下がるよ!」と言って着こませるのはNGです。暑くしてしまうと、咳もひどくなることがあります。熱が上がりきったら薄着で、寒くない程度に布団をかけてあげましょう。
NG3:無理に食事をさせる
熱があるときに「栄養のある食べ物を食べさせましょう」というのもよく聞きますね。子どもが何も食べなくて心配で、何かしら食べてもらいたいと思うこともあるでしょう。
とはいえ、発熱時に食べないのは体の防衛本能のようなものです。熱など病気のときには病原菌と体が闘うために胃腸の動きを止めることが良くあります。食事をして消化するのは意外にエネルギーを使うので、そのエネルギーを病気を治すことに使っている訳です。
病気のときは脱水にならなければいいので、水分をとるだけでも大丈夫です。滋養のある食べ物は熱が下がって回復期に食べさせてあげましょう。
NG4:湯船につかって入浴させる
これはよく知られていることかと思います。熱のときに入浴するとエネルギーの消耗が激しく、病状を悪くさせてしまうことがあるので、やめておいたほうがよいでしょう。
ぐったりしているときは入浴させず、ホットタオルで体を拭いてあげるだけにしましょう。濡らしたタオルを電子レンジで温めてもいいですし、タオルをお湯につけて絞ったものでもいいです。
わが家の場合、子どもが38度ほどの熱があっても元気があるときは、おまただけさっとシャワーしてしまうこともあります
発熱時は親も子も無理せずに!
発熱時はずっと家にいなくてはいけないし、子どもは機嫌が悪いことも多いし、家族で大変ですよね。「冷やさなきゃ」とか「食べさせなきゃ」とか「熱でずっと風呂に入ってなくて汚いかな」など考えてしまいますが、別にやらなきゃいけないことはあまりありません!(汚くても外出するわけではないですし)
やってはいけないことを把握しておけば、病気の対応はすごくラクになります。最低限の看病をして、なるべくラクに風邪の期間を乗り越えられるといいですね。