小柄で内弁慶な息子と背が大きく活発なA君
現在小学生になった息子は身長も体重も平均より小さく、幼稚園の3年間は背の順で常に先頭でした。息子が年中のとき、背の大きなA君がクラスに編入してきました。活発なA君とは反対に、内弁慶な息子。
お互いに虫が好きなど共通話題があり、よく話していると担任の先生から聞いていました。そんなある日、幼稚園の先生から電話がかかってきました。「お友だちと遊んでいたらバランスを崩して転び、息子が目の横をケガしてしまった」というのです。私は気が動転しました。
A君にいじめられているの…!?
慌てて迎えに行き、息子のけがした部分を確認したところ、出血も痛みもないと言うので様子を見ることに。帰宅すると私から聞かずとも、息子は「A君に押された」と話してくれました。
実はA君に押されたと聞くのは初めてではありません。シクシクと泣きながら言う息子を見て、私の心の中では「息子はいじめられてるのかな」という思いでいっぱいになり、先生に電話をして改めて状況の確認をすることにしました。
幼稚園に確認してわかったことは…
先生の説明では、A君がじゃれるように息子に抱きつき、息子は机に手をついたもののそのまま崩れるように倒れてしまったとのこと。きっと体が大きいA君にとってはたいしたことない力でも、息子の体では受け止めきれなかったのかもしれません。あくまでも2人は遊んでいただけのようです。
そして、よくよく息子に聞くと、息子はけがをしてしまったことに対して悲しんで泣いていたようで、A君のことを嫌だと言うことはありませんでした。むしろ、その後も息子はA君と遊んだことをよく私に話してくれて、仲が良いことが伝わってきます。「押された」というのは、遊びの中で起きていることなのだと感じました。
息子は今回のことをきっかけに、嫌な思いをしたときは相手に伝えるということができるようになりました。息子の成長を感じられましたし、遊びをとおして子どもが成長していくということを、私自身が学ぶ出来事となりました。また、幼稚園でトラブルがあった場合、わが子の発言だけを聞いて判断するのではなく、幼稚園と状況の確認をしっかりおこなおうと思います。
イラストレーター/さくら
監修/助産師 松田玲子
著者:樋山ゆり菜
6歳男児、4歳女児の母。夫は不規則な勤務体制のためワンオペ育児多め。食べることが大好きで、地元・栃木県の食をメインとしたブログを運営しながら、飲食店にて接客のパートをしている。