ニコニコ話しかけてきたおばさん
その日は3歳の娘と生後3カ月の息子を連れてスーパーにお買いもの。息子はスリングで抱っこしており、しっかりと顔が出てキョロキョロとご機嫌にしていました。そんな子どもたちの様子を見て、話しかけてきた1人のおばさんがいました。
おばさんは「あらあらかわいいわねー」、「今何カ月?」とニコニコ。話しかけられることはめずしくもないので、「ありがとうございます」、「3カ月です」とこちらもニコニコ対応していました。
自分の指をペロッと舐めて……
しかしその瞬間は急にやってきました。そのおばさんが「あら、お口のところにゴミがついているね」と言ったので、私が息子の顔をのぞき込むと、おばさんがおもむろに自分の指をペロッと舐めました。
おばさんの行動が視界の端に入り、一気に不安がよぎります。次の瞬間おばさんがその指を息子の口あたりに持ってきました。おばさんは自分で舐めた指で息子の口当たりについているゴミをとろうとしたのです。
心の中で悲鳴をあげながら、私は咄嗟に体を捻らせておばさんの指を私の体でブロック。おばさんの腕に体当たりした格好に。私は「あ! すいません、ちょっと急ぐので!」と言って、娘の手を引いておばさんから逃げるように離れました。
失礼? でもありえない!
おばさんからすれば「ゴミをとってあげよう」という、ただの親切心だったと思います。それを拒否するように逃げてしまったので、もしかしたら不愉快に思ったかもしれません。
しかし、舐めた指を子どもの口に持っていかれるのは、やはり親としては嫌なものです。おばさんに対しては失礼だったかもしれませんが、自分の子どもを守るためには必要な行動だったと思っています。
小さい子どもがかわいくて話しかけたり触りたくなる気持ちはよくわかります。ただ、悪意はなくてもNGな行動をしてしまう人はいるので、できるだけ子どもと相手の距離をあけておくなど、予防策をとっておくことが必要だなと学んだ経験でした。
著者:山口花/女性・ライター。2017年生まれの女の子と、2021年生まれの男の子のママ。夫の地元で個性的な人たちに囲まれながら育児しつつ、教育系ライターとして活動中。
作画:うちここ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています