実際どのくらいの人が妊娠中の尿もれを経験している?
ベビーカレンダーでは、妊娠中の尿もれに関するアンケートをおこないました。
その結果、妊娠中に尿もれを経験した方は710人中471人(67.5%)でした。また初めて尿もれを体験した時期で1番多かったのが妊娠8カ月で11人(23.2%)、尿もれを体験した方が一番多かった時期は妊娠9カ月で351人(73%)でした。
※調査概要
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方
調査期間:2021年10月28日~2021年11月10日
調査件数:724件
妊娠中の尿もれはどうして起こる?
解剖学的に見ると、子宮の前には膀胱があります。咳やくしゃみをしたり笑ったりして瞬発的におなかに力が入ると、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するため、尿もれが起こりやすくなります。また、排尿には膀胱括約筋が関わっているのですが、妊娠によるホルモンの影響で膀胱括約筋を含む骨盤底筋群が緩むことも原因の1つです。
どんなときに尿もれした? 対策は?
やはり回答が多かったのは、「くしゃみをしたとき」。そのほか、「笑ったとき」「立ち上がったとき」「上の子を抱っこしたとき」などの回答がありました。
尿もれ対策としては、「こまめにトイレに行った」「ナプキン・尿もれパッド・おりものシートを使用していた」と回答した方が多くみられました。その一方で、「少量だったため何もしていなかった」と回答した方も複数見られました。また尿もれを改善するために、「骨盤底筋群を鍛える運動をしていた」「ピラティスをおこなっていた」と回答した方もいらっしゃいました。
専門家の立場から…
尿もれのときは、生理用ナプキン? 尿もれパッド?
生理用ナプキンと尿もれパッド、見た目は似ていますが、生理用ナプキンは経血を、尿漏れパッドは尿を吸収するための構造となっています。尿を吸収した生理用ナプキンの表面には水分が残りベタつくと言われています。尿もれパッドにはアンモニアに対する消臭効果も。
尿もれの状況によって適した物を使用することで、不快感・不安も軽減できるのではないかと思います。生理のときと同様に、陰部を清潔に保つためにもこまめに交換するようにしましょう。
予防のためには
①こまめにトイレに行きましょう
妊娠中は大きくなった子宮に圧迫され、、膀胱にためておける尿量も減少するため、尿意を感じやすく頻尿になることがあります。何度もトイレに行くのも大変ですが、これを我慢してしまうと尿漏れの原因にもなります。頻尿が気になり、水分摂取を控えるという方もいらっしゃるかもしれません。ですが、妊娠中は新陳代謝が活発になって汗をかきやすくなり脱水のリスクもありますので、極端に控える必要はありません。水分は少量をこまめにとるようにしましょう。
②骨盤底筋群を鍛えましょう
骨盤底筋群を鍛える方法に「ケーゲル体操(キーゲル体操)」があります。腟・尿道口・肛門を体の中に引き込むようにおしりの穴を締めます。その状態を5~10秒間キープしたら、力を抜いて5~10秒間リラックスします。これを10回繰り返すのを1セットとして、無理のない程度におこなうようにしましょう。
尿もれ? 破水?? 判断に困ったときは…
入院の目安の1つに「破水したとき」があります。明らかに破水したとわかる場合もありますが、尿もれと区別がつかないということも。
破水の場合は安静にしていても羊水が流れ出てきます。尿もれの場合はおなかに力を入れると止めることができます。羊水の臭いはまったくないか生臭い場合があります。色は透明もしくは淡黄色ですが、出血して血液の色が混ざっている場合もあります。
破水を放置していると感染の恐れがあり、母子ともに影響を及ぼすことがあるので、適切な処置が必要になります。自分で判断できない場合は、産院に連絡して指示を仰ぎましょう。
妊娠中の尿もれは妊娠に伴う体の変化によって生じるものではありますが、やはり不快なもの。尿もれのメカニズムや対処法を知ることで、より快適に過ごせるかもしれません。妊娠中に尿もれを経験しなかった方も、出産の影響により尿もれを起こしてしまう方もいらっしゃいます。骨盤底筋群を鍛える「ケーゲル体操(キーゲル体操)」は産後もおこなえる体操です。自分の体調と相談しながら、無理のない程度におこない、習慣化できるとよいですね。