わが家はステップファミリー
私は娘が小さいときに離婚し、シングルで子育てをしていました。娘が4歳のときに今の夫と交際を始め、その4年後に再婚。いわゆるステップファミリーに。再婚したばかりのころは、娘は「パパができた!」と喜んでいて、夫と娘の2人で映画を観に行ったり、ワカサギ釣りに行ったりして楽しく過ごしていました。
そんな娘が13歳になり多感なお年ごろに。家族と過ごすより友だちとの時間が楽しいようで、休日のお出かけを誘っても一緒に行ってくれないこともしばしば……。夫と娘にいたっては、たまにゲームの話をするくらいです。夫自身もたくさん話すほうではないのもあって、2人のコミュニケーション不足を感じていました。
娘が学校でいじめに! それを聞いた夫は……
ある日、娘が突然「学校に行きたくないんだけど、パパとママは行けって言う?」と言ってきました。よくよく事情を聞くと、娘は学校でいじめにあっているとのこと。数人の男子から毎日悪口を言われていると言うのです。私と夫の結論は一緒で、「そんな嫌な思いまでして行く必要はない」でした。
その日の夜、娘が寝たあと、夫と2人で娘のことを話し合いました。すると夫は「腹立つ。相手をこらしめてやりたいくらいだ」と怒っていました。普段、愛情表現が乏しい夫なのですが、このとき娘にも深い愛情を持ってくれているのを感じ、うれしく思いました。
「パパって、ちゃんと私のこと大事に思ってくれてるんだね」
後日娘と2人で話す機会があり、私が「パパが相手の男の子たちのこと怒っていたよ。『こらしめてやりたいくらい』って」と伝えると娘は、「意外! パパって、ちゃんと私のこと大事に思ってくれてるんだね。あんまり話さないから、私に関心ないのかなって思ってた。だからうれしい……!」と喜んでいました。
その言葉を聞いて、娘が父親の愛情に不安な気持ちを抱えていると気づかなかったことを反省しました。そして、娘には、パパが自分のおこづかいで娘にゲームを買ったこと、パパと私で娘のことを話すとき、パパがいつも「○○(娘)の意見を尊重しようよ」と言っていることなどを伝えました。「あんまり表に出さないだけでパパは○○のことをちゃんと想っているんだよ」と。
夫と娘の関係は変化したのか?
夫には、「○○にパパの愛情伝わってなかったよ! ちゃんと口にしてあげないとわからないよ」と伝えると、夫は「年齢が年齢だから『大好きー!』って言っても気持ち悪がられそうだし、難しいよ。でも、なるべく口に出すようにする」と反省していました。
それから夫と娘の関係性が劇的によくなったかというと、そういうわけではありません。ですが、普段口数の少ない夫が娘のことを積極的に褒めるようになり、コミュニケーションをとる時間が少しずつ増えています。ちなみに、娘の友だち関係のトラブルは解決し、そのあとは楽しく学校に通えています。
学校でのトラブルがキッカケでしたが、今回の一件で、血のつながりのない父親からの愛情を娘が再確認できたことはとてもよかったと思います。
夫としては、娘が13歳という難しい年齢であることや、夫自身が口下手であることから、どのように愛情表現をしていいかわからなかったようです。今回、私自身も夫の娘への愛情を再確認することができ、とてもうれしい気持ちになりました。夫と娘の関係性が良好に保てるよう、これからも見守っていきたいと思います。
著者:吉川みきな/30代女性・看護師。2008年生まれの女の子と2018年生まれ、2022年生まれの男の子の年の差きょうだいを育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
作画:Michika
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています