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38歳で不妊治療を開始。だいたひかるさんインタビュー「前向きに取り組めたのは夫のおかげです」#1

「どーでもいいーですよー」の枕詞とともに淡々と毒をはく芸風で、一世を風靡したピン芸人のだいたひかるさん。乳がんの経験を経て2021年5月に45歳で妊娠を発表、2022年1月に出産し、現在は片づけを通して自身の人生を見つめるエッセイ『生きるために、捨ててみた。』の出版が話題を呼んでいます。1回目のインタビューでは、だんな様とのなれそめや不妊治療についてお話をうかがいました。

だいたひかるさんインタビュー#1

 

38歳で結婚しすぐに不妊治療を始めた

――『生きるために、捨ててみた。』には、片づけを通してだいたさんの仕事人生やプライベートの様子も描かれています。まずはだんな様とのなれそめを教えてください。

 

だいたさん 2012年に自分が好きな文房具を自慢しあうイベントで出会いました。イベント後に話が盛り上がってごはんを食べに行くことになったのですが、最初は詐欺じゃないかと思っていたんです。当時の私は37歳で、この先、ひとりで生きていくことを考えていたりもしていたんですね。それだけに、「男の人に振り回されたり、だまされている暇はない」と警戒心がすごく強くなっていたんです。でも、彼の人となりを知り、信頼できる人だと確信して、付き合って半年で結婚しました。

 

――結婚後すぐに妊活を始められたのでしょうか?

 

だいたさん そうです。当時、テレビで卵子の老化に関する話題が取り上げられていたんですね。私は38歳だったので、自分の卵子がどういう状態なのかを知りたくて婦人科を受診したんです。検査の結果、私の卵子は年齢相応であることがわかり、その流れでタイミング療法を始めました。何度か陽性反応が出たものの化学流産を繰り返しました。その後、人工授精へ進みました。タイミング療法で陽性反応があったこともあり、少しステップアップすれば子どもが授かるんじゃないかと楽観的に考えていたんです。

 

――人工授精は何回、おこなったのでしょうか?

 

だいたさん 8回おこなったのですがうまくいきませんでした。その後、体外受精に進んだのですが、5回採卵して5回移植し、全滅しました。「40歳までに授かれば」と思って不妊治療を始めたのに、そのころの私は40歳になっていたのでちょっと焦り始めたんですね。 そこで、体外受精と顕微授精が専門のクリニックに転院し、再度、体外受精に取り組むことになりました。2回採卵して受精卵が3つできたのですが、そのうちの2つは着床しなかったんです。3つ目の受精卵を子宮に戻す日の朝、不正出血に気付いたので治療をキャンセルしました。

 

不妊治療中の夫婦仲はおいしいものを食べて改善

――ご著書の内容からはだんな様との仲睦まじい様子が伝わってくるのですが、不妊治療中に夫婦仲が悪くなるような瞬間もあったのでしょうか?

 

だいたさん タイミング療法をしていた時期の私はピリついていましたね。私の場合、タイミング療法は1年に12回しかチャンスがないのに、夫の帰宅が仕事で遅くなると、貴重な機会を棒に振ってしまうことになりますから。私の実感としては、女性に比べると男性は「子どもはすぐできる」と思っているような部分があるといいますか、危機感や緊張感があまりないように感じられたんですね。そういう場面でイライラしたことはありました。

 

――夫婦間の不穏な空気はどのようにして改善されていたのでしょうか?

 

だいたさん おいしいものを食べてイラつく人はいませんから、いい食事をとるようにしました。妊活中は多少、食事にも気をつかうようになっていたので、普段はスルーような貴重部位のお肉を買ったりもしていましたね。

 

不妊治療中のつらさは夫が受け止め支えてくれた

――不妊治療中につらい思いをしたこともあったのでしょうか?

 

だいたさん 結果が出ないのにどうしたらいいのかわからない、もどかしさはありました。例えば勉強だったら、眠い目をこすって一生懸命に机に向かえば、頑張った分だけ結果がついてきますよね。でも、不妊治療って何を頑張ればいいのかわからなくなっちゃうんです。うまくいかないと、「ちゃんと体を暖めるようにしていたのに……」「受精卵はいいって言われていたのに……」「いいタイミングで子宮に戻したはずなのに、どうして?」って自分の体を責めるようになるんです。そうなると自分がポンコツのような気がしてきますし、「なんで若いときに卵子の凍結をしておかなかったんだろう」と、思考が負のサイクルにはまってしまうんです。

 

――負のサイクルからはどうやって抜け出したのでしょうか?

 

だいたさん 夫の存在がすごく大きいです。「今回ダメでも次があるじゃない」といつもなぐさめてくれました。「次はお灸を試してみよう」と提案してくれたり、体を暖めるためのショールを買ってきてくれたりと、いろいろと気をつかってくれました。夫のやさしさに支えられ、「今回はダメだったし過去は変えられないけれど、でも未来はわからない」と気持ちを切り替えることができたんです。

 

次回は、乳がんの治療や、病気をきっかけに始めた片づけについてお話をうかがいます。

 

<だいたひかるさんプロフィール>

 

1975年埼玉県生まれ。「どーでもいいですよー」の持ちネタで大ブレイクし、2002年R-1ぐらんぷり初代チャンピオン。バラエティ番組やCMなど多方面で活躍中。文房具大好き芸人として文房具のプロデュースなどにも携わっている。著書に『生きるために、捨ててみた。』(幻冬舎)

 

<著書>

 

著書『生きるために、捨ててみた。』

 

『生きるために、捨ててみた。』だいたひかる著/幻冬舎 1320円(税込)

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    ライター熊谷あづさ

    ライター。1971年宮城県生まれ。埼玉大学教育学部卒業後、会社員を経てライターに転身。週刊誌や月刊誌、健康誌を中心に医療・健康、食、本、人物インタビューなどの取材・執筆を手がける。著書に『ニャン生訓』(集英社インターナショナル)。

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