妊娠後期になると起こりやすいのが、妊娠高血圧症候群です。おもに血圧が高くなり、尿たんぱくが出る症状のことをいいます。
原因はまだよくわからない部分もありますが、症状がひどくなると赤ちゃんの発育や、産後もママの体にも影響を与える心配があるので、毎日の食事で予防することが肝心です。今回は、妊娠高血圧症候群を予防するためにどんな食事をするといいのか解説します。
体重をしっかりコントロール!
妊娠高血圧症候群につながりやすいのは、何と言っても「肥満」です。妊娠前と比べて体重が急激に増えすぎないように、赤ちゃんのためにもママの体のためにも体重をきちんと管理することが大切です。
とくに妊娠する前から高血圧だったママや、太りすぎを指摘されていたママ、双子や三つ子がおなかにいるママの場合は注意が必要です。
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塩分控えめ、薄味の食事にする!
高血圧を予防するためには、塩分を控えることが欠かせません。塩分の目安は1日7g。減塩でもおいしく食べるために、素材本来の味わいを生かした料理にしましょう。
たとえば汁物の場合は、だしの風味をしっかりきかせることで無理なく減塩することができます。また、レモンや酢などの酸味や、カレーなどの香辛料などを加えると、酸味や香りもプラス。塩分をカットしながら、満足感を得ることができます。
できるだけ市販の加工食品やお惣菜を使わずに、塩分を調整できる手作りの食事を心がけましょう。
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食材を選び方で、低カロリーに!
急激な体重増加は、高血圧にも影響をもたらします。食材の選び方を変えながら、塩分とカロリーを控えめにした食事を摂るように心がけましょう。
たとえば肉の場合。霜降り肉やバラ肉を避け、脂肪の少ない部位を選ぶことで無理なくカロリーを抑えることができます。牛肉や豚肉の場合は、もも肉やヒレ肉のような赤身肉を。鶏肉の場合は皮付きのものではなく、皮を取り除いたもの。部位も、もも肉ではなく胸肉やささみを選びましょう。
血圧が気になる人は、家庭用の血圧計などで血圧を日ごろから測定しておくことをおすすめします。睡眠と食事のリズムを整えながら、規則正しい生活で妊娠高血圧症候群を予防しましょう。
著者:管理栄養士 富田チヤコ
管理栄養士で一男一女の母。大学卒業後、専業主婦時代に離乳食作りから食の重要性に気付き、管理栄養士・フードコーディネーター・消費生活コンサルタントの資格を取得。書籍や女性誌の栄養監修など、主に健康と食のジャンルを中心にフードライターとして活動中。