モグさんの実家から預かったお年賀を義母に渡した。そのあとの義父と義母のやりとりを聞いてモヤッとして……。
「顔で選んだ夫がモラハラ夫だった話」第59話
「別に送る必要ないだろう」
お前なんか嫁だと思っていないと、面と向かって言われるほど嫌われているんだから、この会話を嫁が聞いていたととしても、お構いなしなんだろう。
以前実家が贈ったものを、義父は「またこれか」と言った。今回も「こういうのは口に合わない」と言う声が聞こえた。父の日に渡したプレゼントも、夫が持って帰ってきたし、改めて義父が怖いと思った。
義実家に親戚がたくさん集まってきたけれど、新年会の準備はなぜか義母一人でやっていて、誰一人手伝っていないことが気になった。
マロくんの親戚は男性だけでなくもちろん女性もいる。
男は座って女が働くという考え方は好きではないけど、親戚の若い子も年配の方も、夫の妹さんも、誰一人手伝わないのが疑問だった。
「マロ家に嫁いだんですもの、お客さんはもてなさないとね」
お義母さんはマロ家の嫁としての任務を果たすのは当たり前、という考えのようだった。
「私が引退したらモグちゃんがもてなしてね!」
えっ、お義母さんみたいに一人で新年会の準備をしないといけない日がくるの……?!
この言葉を聞いて、気が重くなってしまった。いや、自分の子どもには絶対に手伝わせよう! 嫁だからという理由で、一人で大勢の食事の支度をするのは、私は良いことだとは思えない。
嫁は奴隷じゃない。
私で負の連鎖を断ち切ろうと決意した瞬間だった。