こんにちは、助産院ばぶばぶ・院長のHISAKOです。「乳腺炎はイヤだけど夜中は寝たい。夜間におっぱいが張りにくくなるようにコントロールしたいけど、何かいい方法ないですか?」というご相談を受けることがあります。そんなママたちのために夜間授乳についてお話しします。
「赤ちゃんに夜中の授乳は必要ない」はウソ?
保健センター、百貨店やショッピングモールの育児相談などで、「赤ちゃんが眠っているのなら夜中は起こしてまで授乳しなくていい」とアドバイスされた、という話も耳にします。
育児本にも、そう書いてあるものがたくさんありますね。だけどその通りにしたら、毎朝おっぱいはガチガチ、昼間にたくさん吸わせてようやくフワフワのおっぱいに戻る、という綱渡りなおっぱいライフを送ることになってしまいます。
夜間授乳のメリットとは?
夜中の授乳は、乳腺炎の予防になります。赤ちゃんは、生後4カ月ごろになると昼間は集中して飲まなくなる子も多く、多少おっぱいの質や味が落ちていたとしても真面目に飲んでくれるのは、昼間より夜間なのです。
昼間も常におっぱいが張ってつらいのであれば、分泌過多気味ということになるので、ママは夕食の量を減らしたり、和食中心にしたり、水分摂取をコントロールすることで、夜間のおっぱいはいくぶん楽になるかもしれません。
でも、よほどの分泌過多でない限り、おっぱいで育つ赤ちゃんはママの摂取した栄養が100%影響しますから、あまりストイックな食事管理はしないほうがいいです。
授乳間隔の目安は4~5時間
ママの体調、分泌量など個人差があるので一概には言えませんが、夜間は4〜5時間以上授乳間隔をあけるのは危険かなと思います。集中力のある夜間におっぱいをあげることは大きな意味があるのです。眠くてボケーっとした状態でも、「飲んで」と差し出せば、赤ちゃんは飲みますよ。そして、飲んだあともそのまま普通に眠ります。
授乳期間は長い子育て期間のほんの一瞬のできごとです。過ぎてしまえば思いのほか短いものです。乳房の張りをコントロールするとか、ちょっとでも夜はまとめて寝たいとか、そういう考えは捨てて、赤ちゃんがスクスク育つにはどうしたらいいか?という方向に意識を向けてみてくださいね。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門助産院を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2016年に11人目を出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。