感染予防対策でよく使われているアルコール消毒。赤ちゃんや小さなお子さんにはどうしたら良いか迷うところですよね。今回は、ママや赤ちゃんのアルコール消毒についてお話ししていきます。
乳幼児にアルコール消毒は使用して大丈夫?どんな場合に使うのが正解?
乳幼児の手の皮膚は薄く皮脂も少ないため、ダメージを受けやすくアルコール消毒は避けた方が良いといわれています。乳幼児の手洗いは、基本的には流水と石鹸の手洗いで問題ありません。石鹸の泡の洗い残しがないようにしっかり流しましょう。
赤ちゃんの場合は、水道で洗わせるとうまく支えることができずに落下などの危険もあり、流水で洗うのは難しいかもしれません。その場合は、洗面器にためた水で洗ったり、ウエットティッシュや濡らしたタオルで拭くようにしましょう。ウエットテッシュは、アルコール成分が含まれていない赤ちゃんの口拭き用などにすると安心です。
幼児であっても頻回なアルコール消毒は手荒れの原因になるためおすすめできません。水道が近くにないときなどの対応としてアルコール消毒をしましょう。また、アルコールによって赤くなったりしないか、手の皮膚の状況をみて、使用や頻度を検討してみましょう。
実は危険!アルコール消毒時に乳幼児の顔や目に入るリスクも
お店や施設にある消毒液は、大人に合わせた高さで、ちょうど乳幼児の顔の高さになることがあります。アルコールが噴霧したときにお子さんの顔にかかってしまうことがあるので注意しましょう。
アルコールがかかってしまった場合には、濡れたタオルやウエットテッシュで拭き取ったり、流水で洗い流すようにしましょう。目に入ってしまった場合、流水で洗い流した後も目が赤くなったり痛がっている様子であれば病院を受診するようにしましょう。
手荒れの症状がひどい場合、アルコール消毒は必要?【大人編】
大人であっても、基本的には石鹸と流水で洗うことが大切です。水道が近くになく、流水で手洗いできない場合にアルコール消毒をするなどと分けてみましょう。
厚生労働省が推奨するアルコール濃度は70%以上のものですが、入手困難な場合は60%台でも効果があるとされています。 実は、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの病原体を除去する効果は、石鹸もアルコールも同等であることが科学的に検証済みであり、「石鹸による手洗い」のみで十分な効果があることが分かっています。そのため、手洗いのあとさらにアルコール消毒をする必要はありません。さらに石鹸による手洗いは、ノロウイルスなど、アルコール消毒では除去できないウイルスに対しても一定の効果を発揮します。
育児中は、頻回な手洗いで手の皮膚は荒れていることが多いです。手指に異常がない状態に比べて、手荒れした手指には多くの細菌が存在します。手荒れを放置すると殺菌剤やアルコールなどの効果を低下させ、接触感染のリスクを高めてしまうこともあります。手荒れがひどいときには、皮膚へのダメージが大きくなるアルコール消毒は避けるようにし、皮膚の健康を守りながらより少ないダメージで感染予防を続けていきましょう。
また、手荒れにはハンドクリームをこまめにつけたり、症状が強い場合には自己判断せずに皮膚科で適切な治療を受けるようにしましょう。
まとめ
手洗いや消毒による手荒れを予防しながら、感染予防対策の手洗い、アルコール消毒を場面に合わせて使い分けていけると良いですね。
参考文献:厚生労働省ホームページ「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」