知らないと損しちゃう!?今はパパも産休育休を取る時代!とるタイミングは?いつ申請すればいい?【専門家が解説】

この4月から法改正に伴いパパの育児休暇が大きく変わりました。父親育児支援専門家であり、3回の育休取得経験者である大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生に、育休の取り方や育休中のポイントを解説していただきました。

この記事の監修者

保育士小崎恭弘
大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授

兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。

 

 

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パパの産休、育休とは

「パパの産休」という新しい言葉を知っていますか。パパのための産後育休のことです。これまで産休というと出産したママだけのものでしたが、この春、育児・介護休業法が大きく改正され、パパも産後に育休が取れるようになりました(今年10月から)。この新しい制度は、ママの産後うつの抑止にもなり、パパ自身の成長の機会にもなるとして期待が寄せられています。

 

そのほか、育休制度も変わります。企業から育休取得を打診する育休取得のレパートリーを柔軟化できるなど、大幅改正されました。

 

今回の改正の特徴は、「フレキシブルに取れる」ということ。例えばパパの産後育休では、産後8週間以内に4週間まで2回に分割して取得することが可能です。しかも休業の2週間前からの申し出でOKとされています。そして、労使協定が結ばれていれば、一定の条件のもと、休業中に仕事をすることも可能です。

育休制度改正のポイント

育休改正は2022年4月から段階的にスタートします。

 

2022年4月から

企業は育休を取得しやすい環境を整備し、対象の従業員に制度を個別周知して取得の意向を確認することが義務化

 

2022年10月から
・育休を分割して2回取得可能に
・育休開始日を柔軟化
・特別な事情がある場合は再取得可能に

・「産後パパ育休」の新設

 

2023年4月から
大企業の育休取得状況の公表が義務化

 

「産後パパ育休」って?

育休改正のひとつとして、2022年10月からはじまる「産後パパ育休」の特徴は次のとおりです。


・パパも「産休」がもらえる
・産後8週間以内に4週間まで取得可能
・休業の2週間前までの申し出でOK
・2回に分割して取得することが可能
・労使協定を結んでいれば、休業中に働いてもOK


「パパの産休は『ママや赤ちゃんのために』と言われることが多いですが、パパのための育休だということを忘れないでいただきたい。パパが自分の人生を豊かにするための休暇なんです」と小崎先生は話します。

 

出典:「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 P2「育児休業の分割取得」(厚生労働省)

産休育休の取り方のポイント

とてもフレキシブルな「パパの産休」ですが、自由の幅が大きいだけに「どのタイミングで取ればいいかな」と迷ってしまう家庭もあるかもしれません。

 

厚生労働省は次のような例を挙げています。

働き方休み方イメージ

 

小崎先生は次のような取り方もおすすめしています。

 

【パパの産後育休】

・ 第2子以降の場合は出産後すぐ
上の子がいる場合は上の子どものお世話があるので、入院中も含め、パパが子育てを担当します。退院後のママが心身の回復に集中できるメリットも。

 

・ 退院後/里帰りから戻ってきてすぐ
新しい生活が始まるタイミングは、何かと忙しくなります。いろいろなことに配慮が必要な新生児育児を産後のママと一緒に過ごします。ママの食事作り、買い物、掃除などのサポートも。

 

【パパの育休】

・保育所に入る前後
保育所に入る準備期間と慣らし保育期間中はより大人の手が必要です。慣らし保育はできるだけ子どもに負担がかからないよう、ていねいにゆっくり進めたいので、育休をとってゆとりを持ちます。

 

・ママの育休のタイミングに合わせて
2人で交代して育休を取ることもいいですが、あえて一緒に取って「家族の時間」を過ごすのもおすすめです。

 

いつ申請すればいい?

パパの産後育休の申し出期限については「2週間前まで」、育児休暇の申し出期限は「1カ月前まで」となっています。でも実際に職場で2週間前に申し出てもいいものなのでしょうか。小崎先生に尋ねました。

 

「例えば今日申請したら2週間後には休んでいいということになります。これは与えられた権利なのですが、企業側からするとやっぱり人の手配や業務の担当の問題もあって大変になることもあるでしょう。産後育休から職場に戻ってきた時、お互いが気持ちよく戻れるような手はずを整えておいた方がいいのではないでしょうか。社会人としてのマナーです。いつ頃生まれるかは予め分かっていますから、分かっている段階で上司や同僚と話し合ったらいいのではないでしょうか。無論、緊急時もありますから仕方のない時もありますが」と小崎先生。

 

また、労使協定が結ばれていれば、休業中に仕事できるという制度を「うまく活用して」とアドバイスします。
 

「この制度を使って、『週1回、木曜日は仕事します』『在宅で火曜日の午前中はミーティングに参加します』といったように、お互い無理のない形での関係性や連絡を取ることができるといいかなと思います」

 

 

育休を取る=他者と共に生きる覚悟を持つこと

新しくなった育休制度。これからは社会の空気も変わってくるかもしれません。でも「育休を取ると出世に響くから」と二の足を踏んでいる人もいるようです。そんなパパについて、小崎先生はこう言います。


「ちょっと厳しいことを言うようですが、ひと月くらいの育休を“出世できない理由”にするのだとしたら、その先も出世できる人材じゃないって思うんです」

 

その上で、育児休暇は人生の学びの期間でもあると言います。

 

「育休というと休みだと思って昼間からビール飲もうとするパパもいます(笑)。資格を取ろうと勉強しようとする人もいる。どれも自由ですし否定はしませんが、子どもをよく見てほしいと思います。育休を取ることは、他者と共に生きる覚悟を持つこと。豊かに生きることです。人生の学びの期間でもある。子どもを育てることを存分に味わってほしい。それが僕の想いです」

 

取材・文/大楽眞衣子

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    この記事の著者

    ライター大楽眞衣子

    社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。

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