交流会を終えて知った親として大切なこと
”口唇口蓋裂を持っていても明るく生きている人がいる”
そう伝えたくて発信してきたけど、同じ当事者さんからは「公にすることではない」など否定的な意見も多いのが現状です。
口唇口蓋裂をに対してどんなに明るくふるまっても、手術を繰り返すたびに感じる痛みや理不尽だと思うこともたくさんあります。
そのたびにネガティブな思いを抱えて、ときには家族とぶつかったりしました。
だけど、口唇口蓋裂に対してネガティブな意見も含めて捉え方は自由だし、だからこそ、自分らしく口唇口蓋裂向き合っていきたいです。
えみかさんは、そうな風に話していました。
口唇口蓋裂が抱える問題には、長引く手術や治療のほかに、「見た目問題」と言われる審美的な事情が含まれることが多いです。
この問題は当事者はもちろん、おなかの赤ちゃんが口唇口蓋裂と診断されたときに調べた先でショックを受ける保護者も少なくないと思います。
実際私自身もそうでした。
でも生まれてきた娘はとてもかわいいくて、私にとってはかけがえのない存在です。
それは生まれた直後からずっと確信していることです。
しかし保護者と当事者でこの見た目問題に関して、そしてお医者さんが治るという意味と当事者が治ったと感じる温度差があるのは否めない、どうしても埋められない大きな溝があるのは確かです。
保護者としてできるサポートにも、いつか限界がきてしまうかもしれない。
おなかの赤ちゃんに口唇口蓋裂があると妊娠中に診断されてから、健康に産んであげられないという気持ち、手術や治療のたびに痛々しい姿を目にするとその都度、申し訳ない気持ちを感じていても、当事者である娘の苦悩は本当の意味でわかってあげられない。
それを責められる日がくると思うと、当事者の本音に触れる機会のある交流会への参加は少し怖い、そう思っていました。
しかし、えみかさんをはじめ当事者のみなさん、えみかさんのご家族の様子や、参加された同じ当事者家族のみなさんのさまざまな意見や考え方に触れたことで、口唇口蓋裂に対する気持ちを100%の理解することは誰しもできない。
ただ、それでも歩み寄り、向き合い安心できる環境や気持ちを当事者にもたらすことが、家族としてできる最も大切なことだととても深く学ぶことができました。
口唇口蓋裂が娘のすべてではない。
それをまずは家庭から育んでいくことが大切であると気づけたおかげで、この病気に対しての捉え方が参加する前よりも、重く捉えることが少なくなりました。
今日遊んだ子のなかにも、自分と同じ治療をしている子がいたことに娘も驚きながら、
「そうなんだ! みんなと遊んだよ! 楽しかった!」と笑顔でいてくれたことも含めて、私にとっても大変有意義で励みになった交流会でした。
(えみかさんの笑みだち会は、現在はオンラインにて交流会をおこなっています)
2013年生まれの長女くぴこは「口唇口蓋裂」ちゃん! この記事が、口唇口蓋裂についての理解につながり、ひとりでも多くの親御さんの励みになりますように。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師REIKO