案の定、子どもは泣き叫び、熱を出す
朝こども園につくと、娘は大号泣。泣き続ける娘を保育士さんに託し、出勤する毎日が始まりました。働き続けていくと、「熱が出た」とこども園から呼び出されることもしばしば。やっと子どもの熱が下がったと思ったら、また別の病気をもらってくることも……。高い壁が私の前に何度も立ちはだかります。
上司に謝り、早退や欠勤を繰り返す日が続き、私の心が疲弊していくのがわかりました。出勤前には「もうダメだ……今日こそ、仕事辞めますって伝えよう……」と思い悩む日々が続きました。
「転勤族で、子どもが1歳なの!?」
いつもは夕方から勤務の方がたまたま日勤になり、私と一緒のシフトになったときのこと。「本当にすごい、よく働こうって決断できたね。大丈夫よ、ここにいる人はみんな通ってきた道だから、子どもが熱を出したら堂々と帰ったらいいのよ」と開口一番にそう言われ、私は驚いてしまいました。
また、子どもが毎朝こども園に送っていくと泣いてばかりいることをポロッと口にしたところ、「子どもが泣くって? 大丈夫よ、半年も経てば慣れて園で過ごす時間が楽しくて仕方なくなっているから」と笑顔で言ってくれたのです。
過去の自分と重なって見えるわ
さらに、「心配していたのよ。子どもが熱を出すと、不安な気持ちになるでしょ。私もそうだったから、どうしても伝えたかったのよ。辞めようなんて思わなくて大丈夫だからね、他のみんなで仕事はカバーするから。今日、あなたと話せてよかったわ」と続けてくれました。
私の環境が劇的に変化したわけではもちろんありません。ですが、温かい言葉をかけていただいたことでもう少しだけ頑張ってみようと、そして職場への感謝の気持ちを忘れず歯を食いしばって食らいつこう、と思えたのです。
半年ほど経ち、いつものように娘のお迎えにいったときのこと。娘は、対象年齢が2歳からのパズルを、瞬く間に組み立てていました。「1時間ほどずっとパズルに集中していましたよ」と保育士さんが笑顔で教えてくれたのです。もう、娘の顔に涙はありません。先輩ママの言葉通り、あきらめずに働いてよかったと思った体験でした。
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著者:西垣かおり
7歳女児のママ。元転勤族の妻で、子どもは1人だが、3度の保活経験あり。縁もゆかりもない街で戸惑いながらも、初めての子育てを楽しんだエピソード中心に執筆中。