すると旦那さんは鳥野さんにある質問をしてきました。それは鳥野さんにとってありえない質問でした……。
夫の質問
※手術後は絶対安静が必要なため、尿道にカテーテルを挿入して、安全に尿を排出できるようにするのが一般的です。実際は手袋を装着しておこないます。
妊娠26週5日の破水後、おなかの張りがどんどん増してきた鳥野さん。このまま無理におなかに赤ちゃんを留めておくほうがリスクなることも考えられることから、急きょ、帝王切開をすることになりました。
陣痛室へ移動したり、導尿カテーテルを挿入したり、準備が進んでいきました。
ちょうど導入カテーテルの挿入に悲鳴をあげたタイミングで、旦那さんの虎ちゃんが病院に到着しました。すると、陣痛の痛みが強まっている鳥野さんに、
「ねえねえ、陣痛ってそんなに痛いの?」
と旦那さんは質問を投げかけました。
痛みに耐えながら思わずイライラしてしまう鳥野さん。看護師がすかさずフォローをしていましたが、その楽しそうなやりとりにまたもイライラが募りました。
そして、そうこうしているうちに、オペ室へ移動する時間がやってきました。
「じゃあ行ってくるね。」
「頑張って」
鳥野さんはいよいよオペ室へ移動します。
◇ ◇ ◇
痛みで会話するのもやっとのところ「痛いの?」と聞かれたら……。鳥野さんが旦那さんにイライラしてしまうのもうなずけますね。けれど、しっかり手を握って手術室へと見送ってくれた旦那さん。鳥野さんにとって何よりも心強いものだったのではないでしょうか。
監修/助産師REIKO